本文に移動

北朝鮮が中距離弾道ミサイル発射…固体燃料の可能性

登録:2024-01-15 00:27 修正:2024-01-15 15:24
北朝鮮の2022年1月31日付の労働新聞は「地対地中長距離弾道ミサイル『火星12型』発射実験を30日におこなった」と報道した/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 合同参謀本部(合参)は14日、「本日午後2時55分ごろ、平壌(ピョンヤン)一帯から東海(トンヘ)上に中距離級弾道ミサイルと推定される1発が発射されたことを把握した」と発表した。北朝鮮の弾道ミサイル発射は今年初めてで、昨年12月18日の大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射以来27日ぶり。

 合参は「北朝鮮のミサイルは約1千キロ飛行した後、東海上に着弾した」と語った。北朝鮮のミサイルが意図的に飛行距離を短くするため、直角に近い角度で発射されたことを考慮すると、実際の飛行距離は5千キロメートル前後と推定しうる。中距離弾道ミサイル(IRBM)の射程距離は3000~5500キロメートルほど。

 韓国軍当局は、今回のミサイルは北朝鮮が昨年11月のエンジン試験で成果を上げたと発表している新型固体燃料中距離弾道ミサイルである可能性があるとみている。固体燃料中距離ミサイルは、燃料注入時間が必要な液体燃料中距離ミサイルに比べて発射準備時間が短く、運搬も容易だ。韓国と米国の立場からすると、固体燃料ミサイルは事前探知する時間が減り、北朝鮮の立場からすると奇襲攻撃が可能になる。そうなれば北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するキルチェーン(事前打撃)などの、韓国の3軸システムに弱点が生じうる。

14日に北朝鮮が発射した中距離弾道ミサイル//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の中距離ミサイルは、在日米軍基地だけでなく米国領のグアム、アラスカをも攻撃できる。このミサイルは、有事の際に朝鮮半島に増員される米軍の兵力や装備をけん制する役割を果たす。大統領室国家安保室はこの日午後、北朝鮮のミサイル発射を捕捉した直後、チャン・ホジン安保室長の主宰で安保状況点検会議を開き、軍の準備態勢を点検した。

 一方、北朝鮮のチェ・ソンヒ外相は、15~17日にロシアのセルゲイ・ラブロフ外相の招きでロシアを訪問する。朝鮮中央通信がこの日報じた。チェ外相の訪ロは、拡大する韓米日安保協力に対抗して北朝鮮とロシアの連帯をさらに強化するためのものとみられる。北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長とロシアのウラジーミル・プーチン大統領は昨年9月、アムール州のボストーチヌイ宇宙基地で首脳会談をおこなった。

 チェ外相が訪ロ期間中にラブロフ外相と外相会談を行い、兵器取引について話し合うかどうかが注目される。米国などは、ウクライナと戦争中のロシアに北朝鮮は弾薬などの兵器を提供してきたと主張しているが、北朝鮮とロシアはこれを強く否定している。

クォン・ヒョクチョル記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1124383.html韓国語原文入力:2024-01-14 18:34
訳D.K

関連記事