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災害支援金に拍車かかる…与党も「大統領に緊急財政命令を建議」

登録:2020-04-08 05:48 修正:2020-04-08 07:31
総選挙直後国会を召集し 
第2次補正予算を処理することを統合党に提案 
 
緊急命令を主張してきた統合党 
「内部協議が必要」 即答避けるも 
補正予算の処理は時間かかるとして反対 
大統領府「補正予算の迅速処理を」
//ハンギョレ新聞社

 緊急災難支援金の支給対象を全国民に拡大することを提案した共に民主党が7日、支給に向けた動きの加速化を呼びかけた。民主党は4・15総選挙直後に臨時国会を招集し、第2次補正予算案を処理しようと未来統合党に提案した。補正予算案の処理が容易でなければ、文在寅(ムン・ジェイン)大統領に緊急財政経済命令権の発動まで建議できるとし、統合党を圧迫した。

 イ・イニョン民主党院内代表は同日、国会で開かれた懸案点検会議で「民主党はすべての国民が最も早く緊急災害支援金を受け取れるよう、急ピッチで進めるつもりだ」とし、「成否はスピードにかかっている」と述べた。彼は「総選挙が終わり次第、臨時国会を召集し、4月16日から補正予算を処理したい。可能なら4月中に支給が行われるようスピードアップを図る」としたうえで、「緊急与野党院内代表会合を統合党に提案する」と述べた。民主党は第2次補正予算の規模を13兆ウォン(約1兆1700億円)程度と計算している。

 民主党は、“スピード”を上げるためなら、文大統領に緊急財政経済命令権の発動まで建議できるとしている。緊急財政命令は憲法第76条にある大統領の権限で、天災または重大な財政・経済上の危機において国会の集会を待つ余裕がない場合、大統領が下す命令だ。イ院内代表は「野党が同意すれば緊急財政命令の建議も積極的に検討する」と述べた。民主党関係者は「総選挙後、早く臨時国会を召集して第2次補正予算案を処理するか、それがだめなら統合党が望んでいる通り緊急財政経済命令権の発動を大統領に建議するという意味だ」とし、「二つの道あるが、院内代表会合を通じて意見をまとめようという提案」だと説明した。

 未来統合党は、民主党の提案に反応を示していない。しかし、補正予算案の処理を通じて緊急災害支援金を支給することには反対する考えを明らかにした。キム・ジョンイン総括選挙対策委員長は同日、ソウル城北乙選挙事務所で開かれた会議で、「いま直ぐ必要なのに、(与党は)選挙後に国会を開いて(補正予算を)実施しようと言っている。その間、韓国経済は深い奈落の底へと引きずり込まれるだろう」と述べた。

 統合党は補正予算の代わりに、大統領の緊急財政経済命令を活用し、今年度予算512兆ウォン(約46兆円)の20%に当たる約100兆ウォン(約9兆円)の項目を緊急変更して、このうち25兆ウォン(約2兆2500億円)で全国民に1人当たり50万ウォンを支給することを提案している。統合党関係者は「補正予算は長くかかり、国家財政に追加負担を与えるため、反対する」とし、イ・イニョン民主党院内代表が「緊急財政経済命令権の発動を建議できる」と提案したことについては、「内部議論が必要だ」と述べた。

 大統領府は、与野党が速やかに補正予算案を処理するのが最善策という立場を示した。カン・ミンソク大統領府報道官は「政府は支援金が一日でも早く支給されるよう、迅速に補正予算案を国会に提出する」とし、「国会が速やかに審議してくれることを望んでいる」と述べた。さらに「政府は国会審議過程で与野党と踏み込んだ協議を行うつもりだ」と付け加えた。支援範囲を全国民に広げることは国会の役目ということだ。大統領の緊急裁定命令権の発動に関しては「総選挙後、直ちに補正予算案を可決すればいい。国会を開けるにもかかわらず緊急財政命令を求める野党の主張は、政治的なもの」(大統領府高官)と一蹴した。

キム・ウォンチョル、ソン・ヨンチョル、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/936056.html韓国語原文入力:2020-04-08 02:39
訳H.J

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