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[社説]基準が提示された災害支援金、一日も早く支給せよ

登録:2020-04-04 08:52 修正:2020-04-04 10:22
緊急災害支援金汎政府タスクフォースが3日午前、政府世宗庁舎で所得下位70%を対象とする災害支援金支給の基準を説明している//ハンギョレ新聞社

 政府が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で困難な状況にある国民を助けるために、所得下位70%の世帯に最大100万ウォン(4人家族基準、約8万8千円)を与える緊急災害支援金の支給基準を健康保険料とすることに決定した。選定基準の大きな枠組みが提示されただけに、今は支給基準をめぐり甲論乙駁を行うより、災害支援金が一日も早く支給されるよう力を集めてほしい。

 政府は3日、災害支援金対象者の選定基準に関して、「申請世帯員に賦課された今年3月基準の健康保険料を全て合算し、所得下位70%以下に支援する」と明らかにした。ほとんどの国民が健康保険に加入しており、職場加入者の最新給与情報と地域加入者の財産情報まで反映された点を考慮したのだ。政府は健康保険料の基準に相当しても高額住宅所有者などの高額資産家は支給対象から除き、詳細な基準を別に用意することにした。また、地域加入者の場合、所得変化が健康保険料に反映されるまでに時差があるため、最近の所得が急激に減った小商工人と自営業者の世帯は、証拠があれば支援を受けることができるように補完することにした。

 政府が高額資産家の基準などを定めない状態で発表をしたのは、先月30日の災害支援金支給の決定以後、国民の間で自分が対象になるのか気にすることが強くなったからだ。政府が初めから明確な基準を出さずに混乱をもたらしたのは残念だが、戦時に準ずる非常事態に直面して史上初の災害支援金という非常手段を動員せざるを得なかった側面を考慮する必要がある。

 全ての国民に支給する基本所得ではなく災害支援金のように選別支給する方式を選択した以上、公平性の議論は避けられない。また、高額資産家の基準についても意見の相違が出ることがあり得る。しかし、具体的な生活水準をいちいち確認して公平性を100%得ようとすると、時間が大変長くかかる。そのようになれば「迅速な支援」という災害支援金の基本趣旨が半減するという結果が生じることになる。

 政府は5月中に支給する方針を明らかにしたが、最大限時間を早めるのが望ましい。国会が二次追補正予算案の処理を急がなければならない理由だ。しかしこれまで「総選挙用ポピュリズム」と批判してきた未来統合党が、今は「善心を施すようなことはせず、皆に与えよ」という正反対の立場を打ち出した。国民の生活と経済がかつてないほどに打撃を受けている過酷な状況において政略的アプローチばかりしているので、この上なくもどかしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/935586.html韓国語原文入力:2020-04-04 02:33
訳M.S

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