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[中国 防空区域固守の背景は]米-日包囲網突破…軍事安保強化に乗り出す

登録:2013-11-29 20:47 修正:2013-12-02 06:26
米・日、東シナ海で対中監視
軍事施設・潜水艦 覗いて見れば
中国、空中情報戦強化を通じ
軍事防御から攻勢に転換
石油など資源紛争を念頭に 分析も

中国は何を狙って東シナ海防空識別区域を宣言したのだろうか?

その背景には最近ぐんぐん強化された米国と日本の対中国包囲網を突破しようとする戦略的布石があるという分析が有力だ。 米国と共にG2(主要2ヶ国)に浮上した中国が、国力を基に防御的軍事戦略から攻勢的戦略に切り替える布石を置いたという解釈も出ている。

 米国と日本は最近東シナ海で中国に対する監視をぐんぐん強化してきたと日本の<日本経済新聞>が29日報道した。 米国はしばしば電子偵察機EP3と無人偵察機グローバルホークを中国海岸付近まで深く浸透させ、情報を収集したと新聞は伝えた。 特に約1万8000m上空まで飛行可能なグローバルホークを活用して、中国海岸付近からも内陸の軍事施設と動向を漏れなく把握できる。 日本自衛隊も潜水艦を監視する対潜水哨戒機P3Cを東シナ海上空にしばしば送り、長距離レーダーを備えた早期警戒機E2Cを通した常時監視も進めてきた。

 北京の外交消息筋は「中国が防空識別区域を宣言した直接的原因は、日本との尖閣諸島(中国名 釣魚島)葛藤だったが、東シナ海近海上で米国が行っている対中国近接偵察活動を阻む目的が大きい」と話した。 この消息筋は「中国はこの間、米国の偵察機が自国の‘前庭’で情報収集活動を行っても、公海上なので対応する根拠がなかった。 今回の防空識別区域宣言で対応の根拠を作った」と指摘した。

 中国は去る2月、尖閣諸島上空で作戦中だった米軍空中早期警報統制機に対応して、殲-10戦闘機を出撃させ追撃戦を行うなど、米軍の情報収集活動に敏感な反応を見せてきた。 中国は2001年4月には南部の海南島で情報収集をして中国戦闘機と衝突し非常着陸した米軍偵察機乗務員を抑留しもした。 習近平中国国家主席は去る6月、バラク・オバマ米国大統領との会談で‘新型大国関係’を前面に出して領土など核心利益を侵害しないことを要求した。 今回の事態と関連して来月4日に予定された習近平主席とジョー・バイデン米国副大統領の会談が分岐点になると見られるが、米-中間戦略的利害関係衝突が明確になる中で、突破口を探すことは容易でないという展望が多い。

 中国軍が鄧小平が設計した韜光養晦(実力を隠してひそかに力を育てる)戦略から脱離して攻勢的国防概念に転換を推進していることもその背景に挙げられる。 中国は防空識別区域を宣言して「大きくなった国力に見合った当然の措置」と強調した。 2次大戦以後に構築された秩序が今まで維持されて来て米国が東アジアの海上と領空を全て統制してきたが、今後は少なくとも中国周辺の海上で中国が軍事的影響力を行使する空間を保障しろとの意だ。

 中国はまず冷戦時期に米国が社会主義圏封鎖ラインとして引いた第1列島線(韓半島~日本、沖縄~ベトナム連結)と第2列島線(サイパン~インドネシア連結)を順に突破して、中国海軍が大洋に出て行き活動する戦略を追求している。 合わせて東シナ海防空識別区域内には主要油田地帯などが含まれていて、エネルギー安保側面の意味も大きい。

 緊張が高まる中で、中国は米国との衝突は避けながらも日本との戦線を明確にしようという態度を見せている。 官営<環球時報>は28日付け社説で、中国が防空識別区域を宣言した最も重要な目標は日本としながら、 "中国が新たに宣言した防空識別区域に日本が挑戦するならば、遅滞なく適切な対応措置を取らなければならない" と強調した。だが "万一、米国がとても遠くへ出て行かないならば、中国は米国を目標物としはしないだろう" と線を引いた。

中国の初の航空母艦 遼寧号が西海(ソヘ)を航海している姿を2011年12月デジタルグローブが捉えた写真だ。 中国の防空識別区域宣言に米国・日本が反発している中で遼寧号が26日南シナ海で訓練を始めた。 APニューシス

北京、東京/ソン・ヨンチョル、キル・ユンヒョン特派員 sychee@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/international/china/613386.html 韓国語原文入力:2013/11/29 20:21
訳J.S(1734字)

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