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中国BYD、BMW抜いて初の世界ベスト10入り…テスラも「警戒」

登録:2024-03-12 08:20 修正:2024-03-12 09:51
中国BYD=BYDのウェブサイトより//ハンギョレ新聞社

 中国の比亜迪(BYD)が世界の自動車販売台数で9位となった。中国の自動車メーカーがベスト10入りしたのは今回が初。自動車市場が電気自動車(EV)などのエコカーによって再編されつつあるここ数年間で起きた現象だ。BYDの急成長にテスラも警戒感をあらわにしている。

 11日に各自動車メーカーが発表した昨年の営業実績と販売台数を確認すると、BYDの昨年の年間販売台数は302万4417台で、ドイツのBMWグループ(255万5341台)とメルセデス・ベンツグループ(249万台)の販売台数を上回った。販売数の順位はBYDが9位、BMWグループが10位。

 1位は日本のトヨタグループで1123万3千台、続いてドイツのフォルクスワーゲングループ(924万台)、現代自動車グループ(730万4千台)、ルノー・日産・三菱アライアンス(639万9千台)、米国のGMグループ(618万8千台)、ステランティス(617万5千台)、フォードグループ(441万3千台)、日本のホンダグループ(406万1千台)。

 BYDの販売台数は対前年比で61.9%と急増。国外への輸出は24万2765台で、前年より実に334.2%増。低価格を前面に打ち出して急成長していると評価される。実際に、同社の普及型EV「シーガル」の価格は約1万ドル(約147万円)。EVを1万ドル以下で販売している大手自動車メーカーはBYDだけだ。

 BYDはEVに使われるバッテリーから車両用半導体、ソフトウェアに至るまで、部品の75%を独自生産する。BYDがEVに搭載するリン酸鉄リチウムイオン(LFP)バッテリーも、低価格を保つ最も重要な要因だ。このバッテリーは韓国のバッテリー業界が主導している「三元系バッテリー」よりエネルギー密度が低いが、価格は20~30%安い。

 品質も改善されつつある。BYDのEV「シール」は、現代自動車グループのEV9、ボルボのEX30と共に「ワールド・カー・アワード(WCA)2024」の最終候補となっている。

 今年のBYDの全世界での販売台数目標は420万台。ホンダグループとフォードグループの地位も脅かしていることを意味する。このような急成長は、現代自動車グループにも相当な脅威となっている。ある輸入車業界の関係者は「BYDが韓国市場に進出するという話はよく聞く。EVの価格競争力があるため、現代自動車は緊張しなければならないと思う」と述べた。

 米テスラもBYDの低価格攻勢に苦戦している。BYDの昨年第4四半期のEV販売台数は世界で52万6千台で、テスラ(48万4500台)を抜いて世界1位となっている。EVの中核市場である中国で成長の勢いが鈍化しつつあるテスラとは異なっている。今年2月のテスラ上海工場の出荷台数は6万365台で、最近14カ月で最低値を記録。不振ばん回のためにテスラは値下げで勝負をかけたが、BYDはさらなる値下げで対抗している。

 テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は1月の業績発表の際、「貿易の壁がなければ、中国のEVメーカーが競合他社を壊滅させるだろう」と発言している。テスラの株価は今年、1株当たり248.42ドルで始まったが、8日には175.34ドルとなり、29.4%下落している。

チョン・スルギ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1131810.html韓国語原文入力:2024-03-11 17:25
訳D.K

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