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自動車も中国…日増し高まる中国メーカーの影響力

登録:2024-01-19 06:45 修正:2024-01-19 08:37
中国メーカーら、世界に工場を新設、外国企業との提携も
昨年1月、ベルギーのブリュッセルで開かれた第100回ブリュッセルモーターショーのメディア試写会で、人々が比亜迪(BYD)の電気自動車を見ている=新華・聯合ニュース

 今年の自動車業界の主要イシューの一つとしては、中国の完成車メーカーの海外進出が挙げられる。

 現代自動車グループ経済産業研究センターのヤン・ジンス自動車産業研究室長(常務)は17日、自動車を担当する取材記者を対象に、ソウル江南区(カンナムグ)の現代自動車・起亜の良才(ヤンジェ)本社で、今年の見通しを発表した。ヤン室長は今年の主なイシューとして、完成車メーカーの収益性の鈍化▽電気自動車(EV)市場の価格競争の激化▽ソフトウェア中心自動車(SDV)▽中国メーカーの影響力の拡大を挙げた。

生産基地の多角化で市場開拓

 中国の自動車の輸出は昨年1月から11月までで317万3千台で、2022年(224万5千台)より58.8%増加した。中国の自動車の輸出先は、欧州が38%、アジアが34%、ラテンアメリカが17%の順だ。

 また、中国企業の新エネルギー車(NEV)工場の設立計画によると、比亜迪(BYD)は今年下半期にタイ(15万台)で、2025年にはブラジル(15万台)とハンガリー(10万台と推定)で工場の新設を進めている。長安汽車も2025年にタイに10万台生産規模の工場を設立する予定で、上海汽車は20万台を生産できる工場敷地の選定に入っている。

 以前は日本やドイツ、韓国など自動車産業の強国の影響力が強かった地域に、中国企業がEVなどを前面に出して本格的に進出しているということだ。

 さらに、他の国のメーカーとの提携を通じても影響力を拡大している。小鵬汽車(シャオペン)は昨年7月、ドイツのフォルクスワーゲンが株式を買収する方式で、EV2種を共同開発している。東風汽車は日産にEVプラットフォームのSを提供した。日産は中国が開発した新エネルギー車を欧州とASEAN諸国へ輸出することを検討している。零跑汽車(リープモーター)は昨年10月、ステランティスとEVをグローバル市場に生産、販売する合資会社を設立した。ヤン・ジンス室長は「中国市場への対応から一歩進んで、海外市場への進出を目的に協力の範囲を拡大している」と分析した。

地政学的リスクを機に全方位的な市場攻略

 中国自動車の海外進出は、地政学的な流れをエネルギー源にして全方位的にさらに速くなっている。このような流れの裏には、ロシア・ウクライナ戦争がある。キウム証券が16日に発表した中国車関連報告書によると、中国が世界最大の自動車輸出国になった背景には、ロシアとウクライナの戦争勃発後、ロシアへの輸出が増えたのが主な要因だった。昨年1月から11月までの統計によると、中国の自動車輸出の純増加分の40%はロシアに向けたものだった。

 中国のEV輸出が東南アジア地域で増えている流れも目立った。東南アジア10カ国が中国のEV輸出増加分の25%を占めた。キウム証券のパク・ジュヨン研究員は「中国企業は、内需競争の深化で価格戦争を続ける中で、中国市場に比べ販売価格の高い海外市場により一層まい進するものと予想される」と話した。

 自動車市場の流れがEVへと変化している中、中国のEVの世界進出は他のメーカーにとって脅威となる。特にアジアや南米など第3世界市場の攻略を強固にしようとする現代自動車・起亜が打撃を受ける可能性もある。世界最大の自動車輸出国への仲間入りを控えた中国自動車産業の拡大が、今年から本格的に始まるか注目される。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1124960.html韓国語原文入力:2024-01-18 14:57
訳H.J

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