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「進撃の中国BYD」、電気乗用車を第3四半期中に韓国で発売

登録:2024-02-19 20:33 修正:2024-05-15 08:58
補助金の差等支給などで牽制 
11日、タイ・バンコクで開かれたバンコクEVエキスポ2024に展示された中国BYDの電気自動車/EPA・聯合ニュース

 中国の電気自動車(EV)とEV用バッテリーメーカーが、内需市場の需要鈍化と競争激化を避け、国外市場への進出を拡大している中、中国最大のEVメーカーの比亜迪(BYD)の韓国市場への上陸もカウントダウンに入った。中国のEVおよびバッテリーメーカーが進出を図る各国の内需市場では、各国の政府と自動車業界による中国産EV牽制方法ないしは戦略が複雑に展開される見通しだ。

 18日、業界によると、BYDは早ければ今年第3四半期中にも韓国市場で電気乗用車を発売する予定だ。これに先立ちBYDは昨年3月、1トン電気トラックなどの商用車を韓国で発売している。すでにBYDは、環境部傘下の韓国環境公団で乗用車セダン1種の性能評価を受けているという。EVの補助金を受けるための手続きとみられる。

 中国を代表するバッテリーメーカーのCATLと、中国内需の比重でリードしているBYDバッテリーは、すでに成長率で韓国のバッテリー3社をはるかに上回っている。エネルギー専門市場調査業者のSNEリサーチの昨年の世界バッテリー市場(中国を除く)統計によれば、CATLの成長率は72.5%に達した。バッテリー使用量は87.8GWhで、シェアに換算すると27.5%で2位を記録した。

 一方、世界バッテリー市場シェア1位のLGエナジーソリューションの成長率は32.9%、シェアは27.8%。2位のCATLとのシェアの差は0.3ポイントしかない。昨年の傾向が続けば、今年は追い越される可能性が高い。4位のSKオンの成長率は13.4%、5位のサムスンSDIは10.6%にとどまった。BYDの昨年の国外市場での成長率は394.8%に達した。

 中国内需市場の成長が鈍化していることに加え、国外市場に出れば相対的により高い価格を受け取ることができるため、中国の完成車とバッテリーメーカーの国外進出はさらに激しくなる見通しだ。国外工場の増設にも積極的に乗り出している。中国企業の新エネルギー車(NEV)工場設立計画によると、BYDは今年下半期にタイ(15万台)、2025年にブラジル(15万台)・ハンガリー(10万台推定)にそれぞれ工場を設立する計画だ。長安汽車は2025年の稼動を目標に、タイに10万台規模の工場を設立しており、上海汽車は20万台生産規模の工場敷地選定手続きを踏んでいる。

 既存の完成車メーカー各社の海外市場への進出も本格化している。中国自動車工業協会(CAAM)は、今年の中国の自動車輸出は550万台となり、昨年(491万台)より13%増加すると予想した。

 他国の会社との協業を通じた影響力拡大戦略も展開している。小鵬汽車は昨年7月、ドイツのフォルクスワーゲンと持分を分け合う戦略的提携を結び、EV2種を共同開発している。東風汽車は日産にEVのプラットフォームを提供した。日産は中国が開発した新エネルギー車の欧州・ASEANへの輸出を推進している。リンパオ汽車は昨年10月、ステランティスと提携しEVを生産してグローバル市場に販売する合弁会社を設立した。

 これを受けて各国政府と自動車業界の苦悩が深まっている。韓国政府は、中国のEVが主に使用するリン酸鉄リチウムイオンバッテリー(LFP)の低いリサイクル率を理由に、補助金を削減することにした。米国のインフレ抑制法(IRA)は、北米地域で生産した場合のみ補助金を支給する基準を作り、フランスとイタリアもEVの製造・流通過程での炭素排出量に応じて補助金を差等支給するか、これを検討している。

 ブルームバーグは最近、フォードEV事業部のマリン・ギャジャ最高運営責任者(COO)が米国デトロイトで破壊的技術を説明するフォーラムにパネルとして出演し、「(中国のEVは)技術で我々よりリードしている」とし、「今すぐEVに適応しなければ会社の未来がない」と述べたと報道した。EVの開発が単なる環境問題ではなく、米国の自動車産業に対する潜在的な脅威を回避するためのものだという趣旨だった。

チェ・ウリ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/car/1128793.html韓国語原文入力:2024-02-18 21:21
訳J.S

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