12・3非常事態宣言に関する外患事件を捜査したチョ・ウンソク特別検察官(特検)チームが、国軍情報司令部が戒厳令宣布直前の9カ月間にわたり例外的な手法で北派(北朝鮮への派遣)訓練を行った事実を把握したことが、2日に明らかになった。特検チームは戒厳宣布の名目作りのため「北風(北朝鮮の脅威を強調し国内政治に利用しようとする動き)誘導用」として訓練が進められたと疑っていたが、捜査期間満了直前に関連情報を入手したため、捜査を完了すことができなかったという。「3大特検」(内乱、キム・ゴンヒ、殉職海兵隊員C上等兵)の残りの疑惑を捜査するクォン・チャンヨン特検チームが情報司令部の外患疑惑を明らかにするかに注目が集まっている。
ハンギョレの取材によると、特検チームは、2024年3月から戒厳令宣布の1カ月前である同年11月までのあいだ情報司令部が特殊工作部隊(HID)要員などを動員し、何度も北派訓練を行ったという事実を確認したという。当時の訓練は潜水艇と動力パラグライダー(PG)を使った方式などで行われたが、特検チームは通常のHID訓練とは異なる点をつかんだという。特にHIDの北派訓練はムン・サンホ前情報司令官が直接管理していたが、「動力PG」による侵入訓練が天候などの理由で相次いで失敗したため、戒厳令宣布の1カ月前にはムン前司令官が「なぜまだ成功できないのか」と担当者を叱責した状況も特検チームは把握している。
しかし、特検チームが捜査期間満了の1カ月前にこの内容を把握していながらも、単なる国防力強化のためではなく「戒厳の名目作り」ために訓練が行われたかどうかは、最終的に確認できなかった。特検チームはその代わりに、尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領とキム・ヨンヒョン前国防部長官らが戒厳令宣布の正当性を確保するために平壌(ピョンヤン)への無人機侵入作戦を実行したと報告し、一般利敵の疑いで裁判にかけた。一般利敵罪は韓国の軍事上の利益を損なった者や敵国に軍事上の利益を提供した者を処罰するよう定めている。
結局、この疑惑についてはクォン・チャンヨン特検チームが捜査に乗り出すものとみられる。第2次総合特検法には、情報機関の潜水艇侵入疑惑も捜査対象に含まれている。特検法の捜査対象には、北方限界線(NLL)付近における武装ヘリコプターの威嚇飛行や潜水艇の北朝鮮侵入疑惑など、北朝鮮の攻撃を誘導し戦争または武力衝突を引き起こした外患犯罪などが含まれている。与党「共に民主党」のパク・ソンウォン議員は昨年11月、国会情報委員会の非公開国政監査後のラジオインタビューなどで、情報司令部のHIDが「戒厳令宣布の前日、北朝鮮の挑発を誘導する目的で爆薬や潜水艇などの殺傷兵器を実際に用意した」と明らかにした。