金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党総書記は25日、7日間の日程を終了した労働党第9回大会の演説で、「韓国は徹底した敵対国、永遠の敵」だと述べて扉を閉ざす一方、米国には「核保有を認めること」などを前提に「良好な関係を築けない理由はない」として対話の扉を開いた。
金総書記は25日夜、平壌(ピョンヤン)の金日成(キム・イルソン)広場で、労働党第9回大会を記念して「武器なき軍事パレード」を行い、大陸間弾道ミサイルなどの戦略兵器を前面に押し出す攻撃的な態度ではなく、内部の結束に焦点を絞った。金総書記のこのような相反する対南・対米基調は、昨年9月の最高人民会議の施政方針演説で表明した政策の再確認であり、新しいものではない。米国のトランプ大統領の3月末の訪中を機に「朝米首脳会談」の機会をとらえようという戦略的な布石だと解釈される。
金総書記は「最も敵対的な実体である大韓民国と協議すべきことは一切なく、韓国を同族という範ちゅうから永遠に除外する」として、「韓国を徹底した敵対国、永遠の敵として扱っていくという我々の決意と意志は強固であり、結論的」だと述べた。26日に労働新聞が報じた。2023年12月の労働党第8期第9回全員会議で初めて表明した「反統一的敵対的二国家関係」の基調を変えるつもりはないことを、再度強調したもの。
金総書記は「今年初めにも韓国は、共和国に対する領空侵犯挑発のような重大な行為で、信頼でき共生できる隣人ではないことを示した」として、「韓国の現政権が表向き標ぼうする融和的な態度はお粗末な欺瞞劇であり、駄作」だと評した。
これに対して李在明(イ・ジェミョン)大統領は、この日の首席補佐官会議で「戦争を辞さない対決政策が展開されたことで生じた対決意識と敵対感情は、瞬時に消し去ることはできない」として、「(関係改善のためには)相応の持続的な努力が必要だ」と述べた。チョン・ドンヨン統一部長官は、金総書記の「敵対的二国家」論は「過去4年間(の尹錫悦政権時代の)敵対と対立の不幸な遺産」だとして、「もはや清算すべきだ」と述べた。
金総書記は、米国に対しては「対話の扉」を開いている。金総書記は「米国が朝鮮民主主義人民共和国憲法に明記されている我が国の現地位を尊重し、朝鮮に対する敵視政策を撤回するなら、我々も米国と良好な関係を築けない理由はない」とし、「平和共存であれ永遠の対決であれ、朝米関係の展望は米国側の態度に全面的にかかっている」と述べた。先に動くことはないが、トランプ大統領の3月末の訪中を機として対話の機会を探るという態度だ。
金総書記は「核能力の強化」の意志も重ねて強調した。「核保有こそ帝国主義的侵略の野望に終止符を打つ唯一の手段」、「我々の核武力強化路線は続くだろう」というのだ。
ただし金総書記は「対外活動を主導的かつ戦略的に展開し、我が国の対外的権威と影響力を幅広く拡大・強化すべきだ」と強調し、情勢突破の手段として大陸間弾道ミサイルの発射実験などの戦略的軍事行動よりも「外交」をひとまず前面に押し出す考えを示唆した。