韓国の統一部は2026年2月、朴槿恵(パク・クネ)政権の開城(ケソン)工業団地事業について「一方的な全面中止は自傷行為だった」とし、「開城工団の早期正常化を望む」と述べた。
統一部は10日、「開城工業団地(稼働)停止から10年 統一部の見解」を発表し、「開城工団は南北間の緊張と対立を緩和する朝鮮半島平和の安全弁として、南北境界地域の経済発展はもちろん、南北共同成長のための代表的な実践空間であり、最も模範的な『統一の実験場』だった」と述べた。 統一部は「南北は2013年8月に『情勢に関係なく工団の正常な運営を保証する』という合意書を締結した」とし、「2016年2月に韓国側が一方的に工団を全面中止したことは、南北間の相互信頼と共同成長の基盤を自ら損なう自傷行為だった」と評した。さらに「2019年1月、金正恩(キム・ジョンウン)委員長自ら『いかなる前提条件や見返りも求めず、開城工団を再開する意思がある』と表明したにもかかわらず、韓国側が何ら相応の措置を取らず、工団再稼働の決定的な機会を逃したことを非常に残念に思い、深い遺憾の意を表す」と述べた。
統一部は「政府は開城工団の早期正常化を望んでいる」とし、「まず長期間断絶していた南北間の連絡チャンネルを復元し、開城工団の再稼働問題と崩れた南北間の信頼を回復するための多方面のコミュニケーションと対話が再開されることを期待している」と述べた。さらに「内部的には国会との緊密な協力を通じて、(尹錫悦政権時代の)2024年に解散した『開城工業地区支援財団』を速やかに復元し、開城工団の再稼働に向けた制度的準備を体系的に進めていく予定だ」と明らかにした。さらに「工団の稼働停止が長期化し、精神的・物質的に苦しんでいる企業関係者に対して重い責任感を持ち、関係省庁と協議しながら企業の経営安定などのための多角的な策を検討していく予定だ」とも述べた。
朴槿恵大統領(当時)が2016年2月10日の北朝鮮の第4回核実験(2016年1月6日)と長距離ミサイル発射(2016年2月7日)への対応として、開城工団の全面事業停止を宣言したことを受け、翌日北朝鮮側が「全面閉鎖」で対抗し、工団は事業が停止したまま現在まで再開されていない。当時、ホン・ヨンピョ統一部長官は「政府声明」を発表し、「開城工団を通じて北朝鮮に総6160億ウォン(約650億円)の現金が流入し、政府と民間で総1兆190億ウォンの投資が行われたが、それが結局核兵器と長距離ミサイルの高度化に使われたものとみられる」と述べた。
しかし、朴槿恵前大統領が弾劾された後に設置された統一部政策革新委員会は、2017年12月28日に記者会見を開き、入居企業の開城工団からの撤退は「朴槿恵大統領の口頭指示」によるものであり、また「開城工団の賃金の核・ミサイルへの転用」の発表も「具体的な情報や十分な根拠、関係機関との協議なしに青瓦台(大統領府)の意見として挿入された」と発表した。
その後、文在寅(ムン・ジェイン)大統領と金正恩国務委員長は、2018年9月の平壌(ピョンヤン)首脳会談で「条件が整い次第、開城工団と金剛山(クムガンサン)観光事業を優先的に正常化する」ことで合意した。さらに金正恩委員長は2019年1月1日の「新年の辞」で、「いかなる前提条件や対価も求めずに、開城工業地区と金剛山観光を再開する意思がある」と述べた。ところが、米国と国連安全保障理事会の対北朝鮮制裁の壁に阻まれ、開城工団再開は実現しなかった。
開城工団の閉鎖当時、123社が団地に入居しており、これらの企業とつながる韓国側の協力企業は1万5000社以上、雇用は12万5000件に達していた。このような背景から、開城工団の閉鎖は「対北朝鮮制裁」ではなく「自傷」との批判が絶えなかった。