12・3非常戒厳時、国会による解除議決を止めることを意図した指示を下したのは尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領だ、との証言がなされた。
ソウル中央地裁刑事25部(チ・グィヨン裁判長)で9日に行われた尹前大統領の内乱事件の第6回公判に証人として出廷したイ・サンヒョン陸軍特殊戦司令部(特戦司)第1空輸旅団長(准将)は、「(議員を引きずり出せと指示したのは)大統領だと聞いた」と述べた。
■「部下たちが処罰を受けたら私は死ぬ、処罰は死より劣る」
イ旅団長は昨年12月8日の検察による取り調べで、クァク・チョングン前特戦司令官から「議員を引きずり出せ」、「電気を遮断しろ」と指示されたことについて証言する過程で、このように語っていた。さらに、「(大統領についての言及を)私は確かに聞いた。その後、大隊長と電話した際に、大統領にこのように指示されたと伝えた」と述べた。
尹前大統領側が「刑事処罰を免れるために事実と異なる陳述をしたのではないか」と問いただすと、イ旅団長は「この事件以降、部下たちは茫然自失の心情でいるため、私が知っている一部始終を話した」とし、「もし私の部下たちが処罰されたら、私は死んでしまうと言った。死の心情だった。死よりも劣る処罰によって(処罰から逃れようと)うそをつくために軍生活を送ってきたわけではない」と強調した。
またイ旅団長は、クァク前司令官からの指示に「ドア」、「斧」、「電気遮断」などの表現が用いられたのがいつかを覚えているかと問われ、「(昨年12月4日)午前1時の決議直前の電話で指示されたことを、はっきりと覚えている」と答えた。
尹前大統領はこの日、大統領選挙後初めて刑事裁判に出廷したが、「大統領選挙の結果についてどう思ったか」、「拒否権を行使した特検の発足を控えて、立場を表明してほしい」という取材陣の質問には答えず、法廷に入った。