本文に移動

「尹前大統領、政治的影響力で証拠隠滅の恐れも」再拘束求め3万人強の韓国市民が署名

登録:2025-05-27 06:39 修正:2025-05-27 08:18
尹錫悦大統領が3月8日午後、京畿道儀旺市のソウル拘置所から釈放され、支持者たちを眺めながら歩いている=キム・ヨンウォン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国市民3万6千人あまりが、裁判所に尹錫悦(ユン・ソクヨル)前大統領に対する再拘束を求めた。依然として政治的影響力を行使して証拠を隠滅する恐れがあるという理由からだ。

 市民団体の軍人権センターと民主社会のための弁護士会(民弁)、参与連帯は26日、尹前大統領の内乱首謀容疑などに対する事件を審理するソウル中央地裁刑事合意25部(チ・グィヨン裁判長)に、尹前大統領の再拘束手続き進行に関する意見書と市民らの署名を提出した。裁判所に出した意見書では、「前大統領として国政全般に莫大な影響力を行使できた権力者の重大な犯罪に対し、より一層厳しい基準で責任を問う公判が進められなければならない」とし、「被告尹錫悦に対する拘束を強く求める」と述べた。参与連帯が14日から25日まで行った「尹錫悦即時再拘束と内乱裁判全面公開」を求めるオンライン署名には3万6330人が参加した。

参与連帯、軍人権センター、民主社会のための弁護士の会が26日、ソウル瑞草区のソウル中央地裁東館前で、尹錫悦前大統領の再拘束要求意見書を提出し、記者会見を行っている/聯合ニュース

 これに先立ち、チ・グィヨン裁判長が3月7日、尹前大統領側の拘束取消申立てを認容し、検察が即時抗告を諦めたことで、尹前大統領は3月8日に釈放された。尹前大統領は釈放されてから80日を迎えた今月26日も、在宅起訴の状態で裁判を受けた。参与連帯のイ・ジヒョン事務処長は、ソウル瑞草区のソウル中央地裁東館前で開かれた記者会見で、「裁判所のとんでもない拘束取り消し決定によって内乱首謀者が制約なしに街を闊歩するのを目の当たりにする国民の心情は惨憺たるものだ」とし、「内乱裁判が進められる中でも、不正選挙陰謀論を借用して民主主義を破壊しようとする人物を、裁判所が手をこまねいて眺めているのは納得できない」と語った。

 尹前大統領は罷免された後も政治的影響力を行使しており証拠隠滅をする危険性が高いとして、尹前大統領の再拘束の必要性が強調された。民弁の内乱真相究明・再発防止タスクフォースのイ・サンヒ団長は「(尹前大統領が)他人に影響を及ぼすくらい依然として政治的影響力を持っている以上、各種の手段を通じて不利な陳述を強いる恐れがある」とし、「捜査・起訴されていない関係者の陳述を歪曲させ、実体的真実を妨害する恐れも大きく、証拠隠滅する恐れが依然として存在する」と述べた。それと共に「再拘束を制限する刑事訴訟法第208条は、裁判所が直接拘束する場合には適用されない」とし、「チ・グィヨン裁判部は尹錫悦の身柄を確保する権限と責任がある」と述べた。

 また、内乱事件の担当地裁がキム・ヨンヒョン前国防部長官の内乱重要任務従事疑惑事件の裁判の一部を非公開で進めるなど、非公開裁判を乱発している点も批判した。軍人権センターのパン・ヘリン・チーム長は「公務上秘密関連条項を根拠に地裁で6回も裁判非公開の決定が下された」とし、「拘束取り消しから相次ぐ非公開決定まで、国民の信頼を裏切り続けているチ・グィヨン裁判長と陪席判事たちは、自ら12・3内乱事件裁判全体を回避すべきだ」と述べた。

イム・ジェヒ、チェ・ヒョンス記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1199360.html韓国語原文入力:2025-05-26 13:55
訳H.J

関連記事