ロシアに派遣された北朝鮮軍のうち、死亡600人余りを含む4700人余りの死傷者が発生したと、国家情報院が30日に発表した。北朝鮮が2度にわたりロシアに派兵した1万5千人のうち、3分の1ほどが死亡または負傷する被害を受けたということだ。国情院は3次派兵の可能性も排除しなかった。これと共に、北朝鮮とロシアは豆満江(トゥマンガン)河口の「豆満江自動車橋」の着工式を行ったことが分かり、2024年6月の朝ロ首脳会談の主要合意どおり軍事・経済協力など全方面で関係強化を加速化させているとみられる。
国会情報委員会のイ・ソングォン議員(幹事・国民の力)とキム・ビョンギ議員(共に民主党)によると、国情院は同日、同委員会の非公開懇談会で、北朝鮮軍の死傷者4700人が発生した事実とともに、戦死者は派遣されたロシア西部のクルスク現地で火葬され、北朝鮮に移送されたと報告した。負傷者2千人余りは1月から3月まで航空機と列車便で北朝鮮に送還され、平壌(ピョンヤン)などに隔離収容されているという。
キム・ビョンギ議員はウクライナが北朝鮮兵捕虜の「具体的な送還に関する議論や交渉があるという報告は一切なかった」と伝えた。イ・ソングォン議員は「北朝鮮軍は参戦から6カ月が過ぎ、無人機など新型兵器や装備の使用に慣れ、戦闘力がかなり向上したものとみられる」と伝えた。ただし、派兵の長期化につれ、北朝鮮軍では過剰な飲酒や窃盗などの逸脱行為も確認されたという。
北朝鮮とロシアが北朝鮮軍派兵を最近公式化した背景について、国情院は「ロシアに対する最密着を最優先するムードの中で、(ウクライナ戦の)終戦後に同盟関係を広げようとする金正恩(キム・ジョンウン)国務委員長と、劇的な勝利を求めるウラジーミル・プーチン大統領の立場が折衷された結果」だと分析した。ただし、ロシアの第二次世界大戦勝利80周年記念行事(5月9日・戦勝記念日)には金正恩国務委員長に代わり、チェ・リョンヘ最高人民会議常任委員長や他の人物が出席する可能性が高いという。
一方、統一部はこの日、豆満江河口地域を撮影した衛星映像を分析し、「ロシア地域では(豆満江自動車橋の)着工式の行事場所と行事施設の準備、ヘリポートの設置などの情況を、北朝鮮地域では着工式関連の爆竹設置推定情況を把握した」と述べた。駐北朝鮮ロシア大使館はこの日、テレグラムを通じて、着工式行事に北朝鮮からはパク・テソン首相が、ロシアからはミハイル・ミシュスチン首相が出席すると伝えた。この事業は2024年6月19日に金正恩国務委員長とロシアのプーチン大統領が平壌首脳会談の際に締結した「豆満江国境自動車橋建設に関する協定」に基づくもの。