ウ・ウォンシク国会議長が内乱罪の容疑者である尹錫悦大統領に対し、「卑怯に警護処の若い職員を前面に立てるのではなく、自ら歩いて出てくる」よう求めた。事実上、尹大統領の肩を持ったチェ・サンモク大統領権限代行副首相には「警護処に逮捕状執行に協力するよう指示すべきだ」と要請した。
高位公職者犯罪捜査処と警察の2回目の逮捕状執行が差し迫った12日午後、ウ議長はフェイスブックに、「大統領が自ら歩いて出てくるのが最も望ましい」と題した文を投稿した。
ウ議長は「弾劾審判の最初の弁論期日にも大統領は出席しないという。弾劾であれ捜査であれ、堂々と向き合うと言っていた大統領はどこへ行ったのか。これ以上国の信頼を損なうことを防ぐため、最小限の品格は守ってくれるよう切に要望する」と述べた。この日、尹大統領側は14日に行われる憲法裁弾劾審判の最初の弁論に出席しない方針を明らかにした。大統領官邸の外に出て逮捕されることを懸念し、「玉砕戦略」を選んだのだ。
これについてウ議長は「法治主義の例外を主張するのではなく、法の執行に素直に応じることが、少なくとも大統領らしい姿ではないか」と述べた。
ウ議長は経済に及ぼす悪影響と対外信任度に触れ、「国民の暮らしがこれ以上持ちこたえられない状況まで追い込まれたのに、ここでさらに大統領の誤った行動で内部・外部的な不確実性を加重させてはならない」と述べた。
警護処職員を逮捕状執行を防ぐための盾にし、「特殊公務執行妨害の前科者」に追い込んでいる尹大統領の行動も批判した。ウ議長は「警護処の職員たちが負うことになる試練も考えてほしい。このままでは、警護処に勤める若い人たちまで、一生汚名とともに不利益を被りかねない状況だ。『だとしても、知ったことではない』というのはあまりにも卑怯ではないか。若者の将来をダメにしてはならない」と述べた。
ウ議長はチェ・サンモク権限代行に「警護処に指揮権を行使してほしい」とも書いた。 先立って10日、チェ代行は逮捕状を執行しようとする捜査機関と、違法にこれを阻んでいる警護処の関係を「両機関間の対立」と歪曲し、事実上逮捕状の執行に反対する意向を表わした。
これに対しウ議長は「機関間の対立ではなく、法治主義の回復か否かがその本質だ。警護処に逮捕状の執行に協力するよう指示し、国家機関同士の衝突を防ぐのが権限代行の仕事」だと強調した。
公捜処は7日、尹大統領の逮捕状の再交付を受け、逮捕状の執行計画を立てている。警察と公捜処が参加する共助捜査本部は、早ければ13日にも令状の再執行に乗り出す見通しだ。