本文に移動

SKグループ会長「妻に財産分与1570億円」判決…1審が覆された世紀の離婚

登録:2024-05-31 06:01 修正:2024-05-31 07:51
「SK株式」チェ会長の特有財産ではない分与の対象とみなし 
「盧泰愚大統領の資金流入、無形の貢献もあった」と判断 
財産額4兆ウォンのうち35%がノ館長の分…チェ会長側「上告する」
アートセンター・ナビのノ・ソヨン館長(左)とチェ・テウォンSKグループ会長/聯合ニュース

 韓国のSKグループのチェ・テウォン会長と「アートセンター・ナビ」のノ・ソヨン館長の離婚訴訟で、チェ会長がノ館長に財産分与として1兆3000億ウォン(約1570億円)を支払わなければならないという判決が出た。1審が認めた慰謝料1億ウォン(約1140億円)と財産分与665億ウォン(約75億7400万円)から20倍以上増えた金額だ。特に財産分与はこれまで知られた中で過去最大の規模だ。

 ソウル高等裁判所家事2部(キム・シチョル裁判長)は30日、チェ会長とノ館長の離婚訴訟控訴審の判決期日を開き、「原告(チェ会長)は被告(ノ館長)に慰謝料20億ウォン(約2億2780万円)および財産分割で1兆3808億ウォンを現金で支払うこと」と判決した。

 これに先立ち、チェ会長は2017年7月、ノ館長を相手に離婚調停を申し立てたが決裂したことを受け、翌年離婚訴訟を起こした。離婚に反対していたノ館長が2019年12月、慰謝料3億ウォン(約3400万円)、財産分与としてチェ会長が保有した持ち株会社SK(株)の株式の50%(約1兆ウォン分)を求める訴訟(反訴)を起こしたことで、離婚訴訟が本格化した。

 主な争点はSK(株)の株式が分与対象の財産であるかどうかだった。2022年12月、1審はチェ会長にノ館長に財産分与として665億ウォンと慰謝料名目で1億ウォンを支給すべきとし、ノ館長が株式の形成と維持、価値上昇などに実質的に寄与したとはみなせず、財産分与の対象ではないと判断した。この株式が親の故チェ・ジョンヒョン前会長から贈与・相続で受け継いだ「特有財産」というチェ会長の主張に軍配をあげた。特有財産とは夫婦の一方が婚姻前から持つ固有財産と婚姻中に自分の名義で取得した財産であり、原則的に財産分与の対象にならない。

 一方、2審裁判所はSK(株)の株式を分割対象の財産と判断した。裁判所は「SKの価値増加に被告(ノ館長)の寄与があるとみなければならない」とし、「SKの株式は婚姻期間に取得されたものであり、上場やこれにともなう株式の形成などに関しては1991年頃(被告の父親である)盧泰愚(ノ・テウ)大統領から原告の父親にかなりの規模の資金が流れたと判断する。この他にも(盧泰愚大統領の)無形の貢献があったと判断する」と説明した。

 裁判所は2人の財産総額を約4兆115億ウォン(約4570億円)とし、分与の比率をチェ会長65%、ノ館長35%とみた。財産35%のうち、ノ館長が既に保有している約200億ウォン(約22億7700万円)を除いた1兆3808億ウォンをチェ会長がノ館長に現金で支払わなければならないと判決を下した。裁判所は「長期間(チェ会長の内縁の妻)キム・ヒヨンTNC財団理事長と不貞行為を続けるなど、一夫一婦制を全く尊重しない態度を見せた」として、チェ会長を批判した。

 ノ館長側の代理人はこの日の宣告後、「1審より(認定)金額がかなり上がった部分は満足しており、具体的争点について検討し以後対処する」と述べた。チェ会長の代理人は「ノ館長側の一方的な主張を事実であるかのように一つ一つ公開した。非公開家事裁判の原則に反した行為」だとし、「特に、盧泰愚政権の裏金の流入および各種の有・無形の恩恵は全く立証されたことがなく、曖昧な推測だけを根拠になされた判断であり、全く納得できない。上告を通じて誤った部分を正す」と語った。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1142779.html韓国語原文入力:2024-05-30 23:07
訳H.J

関連記事