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チョ元法相「尹政権に侮辱を受けた国民…ハン・ドンフン特検法は合法的な戒め」

登録:2024-03-27 06:15 修正:2024-04-01 11:53
チョ・グク祖国革新党代表インタビュー 
「個人の名誉回復のために政治をしようとするわけではない 
もっと重要なのは、大韓民国の名誉回復」
祖国革新党のチョ・グク代表が25日午前、ソウル汝矣島の祖国革新党ブリーフィングルームで、ハンギョレのインタビューに応じている=キム・ギョンホ先任記者//ハンギョレ新聞社

 4月10日に行われる総選挙を控え、祖国革新党が突風を巻き起こしている中、同党のチョ・グク代表は「最悪の状況が来ても、我が党では第2、第3のチョ・グクが出てくるだろうし、最悪の状況が過ぎれば私は戻ってくる」とし「4月10日までも、その後もそろばんを弾きながら政治をするつもりはない」と語った。子どもの入試不正疑惑などで最高裁判決を控えているが、総選挙以後、祖国革新党の「看板」であるチョ代表本人が拘束されても、共に民主党と合併することなく、第3党として残るという意思を明確にしたのだ。

 チョ代表は25日、ソウル汝矣島(ヨイド)の党本部で行ったハンギョレとのインタビューで、「私に最悪の状況が発生する可能性があるが、それを前提に党設立を準備してきた」とし、このように語った。さらに「私が党づくりを主導したのは事実だが、党設立前に比べると、支持率が高くなっており、揺ぎなくやるべきことをやっていく候補たちと党役員、党員と国民がいる」と強調した。総選挙後に「チョ・グクのいない祖国革新党」が民主党に吸収合併される可能性については、「一貫して申し上げてきたが、合併は民主党にとっても、広い範囲の革新陣営にとっても良くない」として否定した。

 チョ代表は「民主党の10分の1、50分の1規模である祖国革新党に対する支持は、未来価値に対する投資、ベンチャー企業に対する投資と似ている」としたうえで、「党代表に欠陥があり、至らないところがあるにもかかわらず支持してくださるのは、野党第一党である民主党が中道層を引きつけなければならないのに比べ、祖国革新党が尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に対する怒りと失望を最も直接的に捉えて表現し共鳴しているため」だと解説した。第22代国会が開院すれば告発教唆疑惑などを含む「ハン・ドンフン特検法」を第1号法案として発議すると明らかにしたチョ代表は「総選挙が終われば、ハン委員長は捜査を受ける準備をしなければならない」と語った。

 以下は一問一答。

―ほとんどの世論調査で突風を巻き起こしている。高い支持率は、政権審判論だけでは解釈が難しいようだが。

 「これほどはやく熱く支持されるとは思わなかった。感謝する一方、怖くもある。党代表に欠陥があり、至らないところがあるにもかかわらず、支持されている理由を考えざるを得ない。野党第一党の民主党は政権政党になることを目指してきたため、わが党に比べて断固として直接的にはできなかったのだと思う。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権に対する国民の怒りと失望を、祖国革新党が最も直接的に捉えて表現し、共感しているからではないだろうか。市民に会うたび、『すっきりする、鬱憤が晴れる』という言葉をよく耳にする」

―検察が「Dネット」(デジタル捜査網)に令状なしに携帯電話情報を保存しておいた問題をはじめ、主な検察関連イシューに民主党より一歩早く対応している。

 「党創立宣言の時から『最も早く、より断固として、より強く』という言葉を使い続けている。曳船は小さいが強い動力があって大きな船を引くことができる。右顧左眄(右を見たり左を見たりして、ためらい迷うこと)しないというのが党の方針だ。私が全国を走り回っているので、会議ができなければ、通話やメールで素早く意思決定に乗り出す」

―第22代国会の第1号法案として「検察告発教唆疑惑」、「子ども入試不正疑惑」などを範囲とした「ハン・ドンフン特検法」を掲げた。本当に韓国政治において最も急がれることなのか。

 「(与党「国民の力」の)ハン・ドンフン非常対策委員長は、尹錫悦政権の皇太子であり、政権発足の企画者だ。自分が『公正と常識』を語りながら捜査し、それをきっかけに政権を取ったなら、それに対する責任を負わなければならない」

―ハン委員長が次期権力に浮上すると予想したか。

 「韓国国民は非常に賢明だ。ハン委員長が大統領候補になって大統領になる可能性はゼロだ。彼は総選挙後に捜査を受ける準備をしなければならない。(告発教唆の捜査に関する重要な証拠である)本人の携帯電話の暗証番号も検察に公開しない人に、公正と常識を語る資格はない」

―180議席の与党を持つ文在寅(ムン・ジェイン)政権でも検察改革に失敗したのに、10議席あまりの政党にそれができるのか。

 「議席数で政党を判断するのは表面的なアプローチだ。金大中(キム・デジュン) 元大統領は70議席の野党である平和民主党の総裁だったが、本人の政治的能力で国民と意思疎通しながら変化を作り出した。尹錫悦政権にはすでに亀裂が生じている。亀裂を正確に狙えば効果は大きいだろう」

―(チョ氏は)すでに二審で実刑2年を言い渡されており、最高裁の判断を待っている。チョ・グクのいない祖国革新党がそれをやり遂げることができるだろうか。

 「私が党づくり作業を主導したのは事実だ。党をつくる前に周りに止められ『無所属で出馬すべき』と言われたのに比べれば、今は国民の支持率も高くなり、揺ぎなくやるべきことを進めている候補たちと党役員、党員と国民がいる。私に最悪の状況が発生するかもしれないが、それを前提に党設立を準備してきた。最悪の状況が発生しても第2、第3のチョ・グクが出てくるだろうし、私は最悪の状況が終わればまた戻ってくる」

―民主党との合併はないということか。

 「一貫性をもって申し上げてきたが、合併はない。合併は民主党にとっても、広い意味での革新陣営にとっても良くない」

―昨年「非法律的な方式で名誉を回復する」とも言ったが、政治を私事化するのではないかという指摘がある。

 「『非法律的名誉回復』という言葉を使ったのは事実だが、それを理由に政治をするとは言っていない。個人の名誉回復のために政治をするという話は一度もしたことがない。もっと重要なのは、大韓民国の名誉回復だ。国民が尹錫悦政権によって侮辱を受けている」

―ハン・ドンフン特検法を第1号法案として公約に掲げたことから、私的な感情が読み取れるという声もあがっている。

 「国民の力では『私的復讐』などと言っているが、ばかげている。私がナイフを持っていったら私的な復讐であるが、ハン・ドンフン特検法は復讐ではなく、正当かつ合法的な戒めの問題だ。チョ・グク個人ではなく、大韓民国の国会と司法体制、国法秩序が行う正当な戒めだ」

―結局、文在寅政権が尹錫悦政権を発足させたという責任論についてはどう思うか。

 「民情首席秘書官として、大統領の補佐陣として、人事検証の最終的・包括的責任を負っており、その点において至らないところがあったことを認め謝罪してきた。ただし当時、尹錫悦検察総長候補が検察改革の先頭に立つと公言したのも事実であり、総合的にみてほしい」

―祖国革新党が「文在寅政権第2幕」という評価には同意するか。

 「同意しない。文在寅政権で働いた方々には出馬しないことを勧めた。人材第1号のシン・ジャンシク候補は正義党出身で、政策委議長のソ・ワンジン候補はパク・ウォンスン前ソウル市長の側近だ。検察改革と社会・経済的改革部門でも文在寅政権の功罪があり、文在寅前大統領の功罪がある。私たちはそれを忘れないようにし、(多数党の)民主党政権だからこそできなかったことを進めたいと思っている」

―選挙後の民主党との関係は。

 「新婚夫婦への公共賃貸住宅の普及など、社会的基本権先進国に向けて動き出す計画だ。民主党が先頭に立つと、『左派政策』という批判を受ける恐れがあり、慎重にならざるを得ない政策を主導する」

―支持率をさらに上げることはできるだろうか。投票所では二大政党に結集するのではないか。

 「祖国革新党の突風の根源は汝矣島(政界の中心)の政治工学ではない。汝矣島にいた方々は、誰もこのような支持率を予想できなかった。汝矣島の文法で活動するつもりも、そろばんを弾くつもりもない。尹錫悦政権に対する怒りと暮らしの問題による国民の苦痛を和らげるために全力を尽くし、それがうまくかみ合えば、さらに多くの成果が出るだろう」

オム・ジウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/election/1133778.html韓国語原文入力:2024-03-26 15:50
訳H.J

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