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「尹大統領と確執」検事の受難…法務部、パク・ウンジョン検事も解任

登録:2024-03-05 08:39 修正:2024-03-05 09:14
シン・ソンシク、イ・ソンユンに続きまたも解任 
告発教唆一審有罪のソン・ジュンソンはそのまま
光州地検重要経済犯罪調査団のパク・ウンジョン部長検事が2022年10月、ソウル瑞草区瑞草洞の中央地検に向かいつつ、取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 法務部は、2020年の文在寅(ムン・ジェイン)政権時代に「尹錫悦(ユン・ソクヨル)検察総長」を監察した光州(クァンジュ)地検重要経済犯罪調査団のパク・ウンジョン部長検事を解任した。パク部長検事の懲戒理由は、ほとんどがすでに裁判所や捜査機関などから「問題ない」と判断されているうえ、法務研修院のシン・ソンシク、イ・ソンユン両研究委員に続きパク部長検事までもが相次いで「解任」されたことで、尹大統領と確執のある検事に対する「報復懲戒」だとの批判が起きている。

 法務部の検事懲戒委員会は先月27日の会議で、パク部長検事の解任処分を議決した。4日のハンギョレの取材で確認された。検事懲戒法に規定される懲戒はけん責、減給、停職、免職、解任の5段階で、解任は最も重い懲戒だ。パク部長検事はこの日のハンギョレの電話取材に対し、「尹大統領を監察したとの理由での報復懲戒であり、尹大統領に対する監察の過程はすべて違法行為だったとイメージ化しようとするもの」だとし、「監察に誠実に臨み、関連捜査も進められている最中に、重い懲戒が下されたのは受け入れられない」と語った。パク部長検事は懲戒取り消し訴訟を起こす方針だ。

 パク部長検事の懲戒理由は次の3つ。法務部の監察担当官時代に尹錫悦検察総長(当時)を監察していた際に、ハン・ドンフン検事長の監察のために入手したいわゆる「チャンネルA事件」の記録の一部をコピーし、尹検察総長を監察中の監察委員に提供(公務上の秘密漏えい)したこと▽同記録を尹検察総長の監察の証拠として用いたこと(個人情報保護法違反)▽当時、法務部監察担当官室に派遣されていた検事が、尹検察総長の「判事査察文書」は職権乱用に当たらないとの趣旨の報告書を作成したことに対し、修正を指示(職権乱用)したこと。

 しかしこれら3つの理由は、いずれも裁判所と捜査機関がすでに問題なしと判断している。パク部長検事の公務上秘密漏えい容疑などを捜査したソウル中央地検は、2021年6月にパク部長検事を不起訴処分にしている。2021年10月には、尹検察総長の懲戒取り消し訴訟の一審で、報告書修正指示について「尹検察総長の判事査察文書作成および伝達指示は職権乱用とみなされる余地がある」と判断されている。この判断どおりなら「修正指示」を職権乱用とはみなしがたい。パク部長検事は現在、2022年6月にソウル高等検察庁から再捜査命令を受けたソウル中央地検刑事5部と高位公職者犯罪捜査処の2機関から、それぞれ個人情報保護法違反、通信秘密保護法違反、職権乱用の疑いで捜査を受けている。

 一部からは、法務部は尹大統領や与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長ら検察出身の与党の実力者たちの側に立って「報復懲戒」を断行したのではないか、との声もあがっている。法務研修院のイ・ソンユン研究委員(当時ソウル中央地検長)は昨年、チョ・グク元法務部長官の出版記念会に出席し、「尹錫悦師団は全斗煥(チョン・ドゥファン)のハナ会」だと述べ、最近解任された。「ハン・ドンフン名誉毀損」の疑いで起訴された同院のシン・ソンシク研究委員(検事長)も最近、一審裁判中に解任されている。

 民主社会のための弁護士会(民弁)検警改革小委員会のイ・チャンミン委員長は、「パク部長検事に重い懲戒を科すことで『尹錫悦の懲戒は違法だった』という記録を明確にしておこうというもの」だと語った。尹検察総長の懲戒処分取り消し訴訟の控訴審で、裁判所は昨年12月、一審の判断を覆して「懲戒処分を取り消せ」との判決を下し、法務部が上告しなかったためこれがそのまま確定した。民弁の別の弁護士は「『告発教唆』のソン・ジュンソン検事に対しては法務部が有罪にもなっていないうちに嫌疑なしとして懲戒しなかったことと比べてみると、懲戒理由ではなく懲戒対象が誰なのかによって懲戒の結論を下したと考えられる」とし、「検察が敵味方を分け、自身の味方の利益にはどれほど忠実な集団なのかがあらわになった」と述べた。

オ・ヨンソ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1130831.html韓国語原文入力:2024-03-04 16:37
訳D.K

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