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韓国政府与党「医療空白、総選挙で負担に…」出口戦略を模索

登録:2024-03-25 06:42 修正:2024-03-25 08:43
「被疑者」駐豪大使、舌禍招いた大統領室市民社会首席秘書官 
「龍山発の悪材料」に続き政府と医療界の対立まで 
与党代表のハン委員長を中心に収拾していくかたちに
国民の力のハン・ドンフン非常対策委員長が24日午後、ソウル西大門区新村セブランス病院で開かれた全国医大教授協議会会長団懇談会に出席した後、取材陣の質問に答えている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が24日、病院を離脱した専攻医の免許停止処分方針と関連し、「柔軟な処理案を模索せよ」と指示したのは、4月10日の総選挙に悪影響を及ぼしかねない「リスク」を政府と与党が共に管理していくという意味とみられる。政府と医療界の対立の長期化に伴う医療空白をめぐり、「政府責任論」に火がつく前に、協議体の構成など出口の模索に乗り出したわけだ。

 同日午後6時、大統領室は報道発表を通じて「尹大統領がハン・ドクス首相に『党と協議して柔軟な処理案を模索してほしい』と述べた」とし、与党「国民の力」のハン・ドンフン非常対策委員長の要請があったと公開した。ハン委員長は同日午後4時、ソウル新村セブランス病院で50分ほど、全国の大学教授協議会会長団と懇談会を行った後、大統領室に「離脱した専攻医に対する免許停止行政処分を柔軟に処理してほしい」と要請したという。首相室は尹大統領の指示直後、「政府は医療界と協議し、早いうちにハン首相と医療界の関係者がひざを突き合わせる機会を設ける方針だ」と明らかにした。

 これは、1カ月以上長期化している政府と医療界の対立が、総選挙における悪影響を及ぼす恐れがあるという認識で与党と大統領室が一致したことによる措置とみられる。政府はこれまで「原則論」を貫いてきたが、与党内部では対立の長期化が総選挙の悪材料になりかねないという不安が高まっていた。韓国ギャラップが15日に公開した世論調査(中央選挙世論調査審議委員会ホームページを参照)で、政府が医療界の反発と医療空白にうまく対応しているかという質問に、「(対応を)間違っている」(49%)が「うまくやっている」(38%)を上回るなど、世論でも疲労感が高まっていることが確認された。首都圏のある候補はハンギョレに「医療増員は必要だ。しかし、雰囲気も最初とは変わり、強対強で押し通すので負担になったのは事実だ」と語った。

 イ・ジョンソプ駐オーストラリア大使、ファン・サンム前大統領室市民社会首席秘書官をめぐる波紋など、「龍山(ヨンサン=大統領室)発リスク」で悪化した世論をハン委員長が先頭に立って収拾する姿を見せようという思惑もあるとみられる。イ大使の一時帰国とファン前首席の辞任後、大統領室関係者は「選挙は党が行うもの」と述べた。忠清圏のある与党候補は、「大統領と医師があまりにも強硬に出たのではないか。仲裁の役割を果たせる人はハン委員長しかいなかった」と語った。大統領室も同日、「尹大統領の指示は、ハン委員長の要請を受け入れたもの」だと伝えた。政府高官もこの日、「政府と医療界が向き合うことで、意味のある意見の折衷が実現するよう、党政が緊密に協議する」とし、与党の役割を強調した。

イ・スンジュン、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1133638.html韓国語原文入力:2024-03-24 22:10
訳H.J

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