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復帰期限1日前まで動きのない専攻医の集団行動…長期戦に備える韓国政府

登録:2024-02-29 08:58 修正:2024-02-29 09:17
専攻医の大半が集団行動を継続 
政府「数カ月の空白は維持可能」 
現場では医療スタッフが疲労感を訴え
ソウルのある大学病院の医療スタッフ/聯合ニュース

 病院現場から離脱した専攻医の復帰期限として韓国政府が提示した29日の前日である28日、専攻医は少数が復帰したが、大半が集団行動を続けている。政府と医師団体間の対立が続く状況で、3・4年目の専攻医が契約終了後に病院を離れ、残った人たちは累積する疲労感を訴えている。こうした状況のもと、パク・ミンス保健福祉部第2次官は、専攻医に29日に対話をしようと提案した。

 政府はこの日も専攻医に対する圧力を続けた。保健福祉部の職員が各研修病院の専攻医代表者などの自宅を訪問し、直接業務開始命令を伝えた。郵便や携帯電話のメッセージなどで伝えてきたが、司法手続きを明確に準備するため、直接伝達することにした。専攻医は携帯電話の電源を切るなどの方法で命令を回避してきた。行政手続法によると、送達しようとする場所で対象者に会うことができなかった場合、同居人などを代理人として伝えることができる。これを拒否した場合、その事実を受領確認書に記載し、文書を送達場所に置くことができる。前日には、大韓医師協会(医師協)のキム・テグ非常対策委員長などの医師協の幹部5人を告発したのに続き、強硬対応を続けている。

 さらに、パク・ミンス次官はこの日、専攻医らにショートメッセージを送り、対話を提案した。パク次官は「専攻医の誰でも参加可能だ」として、「集団行動とは別なので、心配せず対話の場に出てきてほしい。もちろん、個人の資格で参加してもよい」と明らかにした。

 専攻医の集団行動には大きな変化はなかった。この日の保健福祉部の報告によると、27日時点で全国の主な99の研修病院で辞表を提出した専攻医は9937人だった。前日(9909人)より28人増えた。そのうち8992人が病院を離れた。業務開始命令は9267人(100の研修病院基準)が受けた。ただし、全南大学病院では7人、忠北大学病院では6人など、一部が復帰したりもした。政府は、一部の専攻医の復帰を意味あるものとみなしているが、ハンギョレが接触した専攻医側は、復帰の動きがないことを明らかにした。

 政府は「非常診療補完対策」を打ち出し、長期戦に備えた。保険福祉部の関係者は「医師団体が4月の総選挙後まで集団行動を続ける可能性を排除していない」と述べた。まず、医師が不足している国立大学病院などに公衆保険医や軍医官を送り、上級総合病院が追加の医療スタッフを採用したり、教授・専任医が当直勤務をする場合、財政支援を行う計画だ。また、上級総合病院は重症患者を集中的に療法し、その他の病院は中等症(重症と軽症の中間程度)・軽症患者の診療ができるよう、診療費を調整する計画だ。2次病院のみが上級総合病院に診療を依頼できる案も検討する。上級総合病院の患者減少によって低下した収益は、国民健康保険などで保全する形だ。これ以外には、公共医療機関の平日延長診療、および週末・休日診療を最大限実施するよう求める計画だ。

 保険福祉部は、医療空白を埋めることができると自信を持っている。福祉部関係者は「数カ月間は復帰しなくても、医療システムを十分に支えることができる」として、「むしろ医療伝達システム(診療所や病院を経て総合病院に行くようにする制度)を正すきっかけにすることができるだろう」と述べた。しかし、現場にいる医療スタッフは疲労しており、さらなる離脱も予定され、政府の対策の実効性に疑問が提起されている。3月1日からは研修を終えた3・4年目の専攻医が病院を離れるうえ、1年単位で契約する一部の専任医も集団行動に参加する雰囲気だ。さらに一部の2次病院は診療環境が脆弱であり、大病院から押しだされた患者を消化することも難しい。

 患者への被害を心配せざるをえない。翰林大学聖心病院のイ・ヒョンミン教授(応急医学科)は「政府計画に従い大学病院の救急治療室が24時間稼動したとしても、最終的な診療が提供されなければ、救急医療の意味はない」として、「一部の2次病院も集中治療室が満室になるなど心配だ」と述べた。

チョン・ホソン、イム・ジェヒ記者、キム・ユンジュ記者、キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1130304.html韓国語原文入力:2024-02-29 01:33
訳M.S

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