本文に移動

尹大統領「反国家勢力が終戦宣言を唱え続けてきた」…野党「極右的認識に衝撃」

登録:2023-06-29 06:24 修正:2023-06-29 07:48
「反国家勢力が唱え続ける」…「朝鮮半島終戦宣言」を激しく批判 
「虚偽の扇動、捏造、フェイクニュースで自由大韓民国を脅かす」
尹錫悦大統領が28日、ソウルの中区奨忠体育館で開かれた韓国自由総連盟第69周年創立記念行事で、カン・ソクホ韓国自由総連盟総裁に紹介され、手を挙げて歓声に応えている=大統領室提供//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領が28日、「歪曲された歴史認識、無責任な国家観を持つ反国家勢力は、核武装を高度化する北朝鮮共産集団に対する国連安保理制裁の解除を要請し、国連軍司令部を解体する終戦宣言を唱え続けてきた」とし、事実上文在寅(ムン・ジェイン)政権を反国家勢力と称して激しく非難した。

 尹大統領は同日、ソウルの奨忠体育館で開かれた「韓国自由総連盟69周年創立記念行事」に出席し、「我々は正しい歴史観と責任ある国家観、そして明確な安保観を持たなければならない」と述べた。さらに「北朝鮮が再び侵略してくれば、国連軍司令部とその戦力が自動的に動くことを妨げるための終戦宣言の合唱であり、我々を侵略しようとする敵の善意を信じるべきという荒唐無稽な偽物の平和の主張だった」と付け加えた。現職大統領が自由総連盟創立記念行事に出席したのは金大中(キム・デジュン)元大統領以来24年ぶり。

 尹大統領の言及は、朝鮮半島平和プロセスを進めた文在寅政権に直接向けられたものとみられる。文前大統領は2021年9月、国連総会演説で「終戦宣言こそが朝鮮半島で和解と協力の新たな秩序を作る重要な出発点になるだろう」と述べた。2018年10月、国連安全保障理事会常任理事国であるフランスのエマニュエル・マクロン大統領との会談でも、「北朝鮮の非核化が不可逆的な段階に至ったと判断できる場合は、国連制裁の緩和を通じて北朝鮮の非核化をさらに促さなければならない」と語った。

尹錫悦大統領が28日、ソウルの奨忠体育館で開かれた韓国自由総連盟創立第69周年記念式典で手を振っている/聯合ニュース

 尹大統領は、自分が韓米同盟を通じて国家安全保障を強化したと強調した。また前政権に狙いを定めて、「自由大韓民国の国家安全保障が致命的に脅かされている状況だった」とし、「(私が)就任後、北朝鮮核の脅威と挑発を抑止するために韓米同盟を強化し、韓米同盟を核基盤に格上げした」と述べた。また「北朝鮮だけを見て中国に無視されていた韓国外交は、いまやルールを尊重する5大洋6大州のすべての国家と緊密に協力するグローバル中枢外交に浮上した」とも述べた。

 尹大統領は安全保障を脅かす要素としてフェイクニュースと怪談を挙げた。尹大統領は「虚偽の扇動と捏造、フェイクニュースと怪談で、自由大韓民国を揺さぶり、脅かし、国家アイデンティティを否定する勢力があまりにも多い。自由大韓民国を崩壊させ、発展を妨げようとする勢力が国のいたるところに組織や勢力を構築している」と述べた。しかし、尹大統領のいう「国連司令部を解体する終戦宣言」は事実とは異なる。文前大統領は平壌(ピョンヤン)で開かれた南北首脳会談を終えてソウルに戻った2018年9月20日、終戦宣言は平和協定とは異なるとし、終戦宣言と国連軍司令部の解体や在韓米軍の撤退とは関係がないと説明した。終戦宣言は南北米または南北米中が参加する政治的宣言であり、朝鮮半島の完全な戦争終結を意味する平和協定が結ばれるまでは終戦宣言をしても国連軍司令部が維持される。

 野党「共に民主党」は強く反発した。クォン・チルスン首席報道担当は「イルベ(右翼傾向のネットコミュニティーサイト)と全く変わらない大統領の認識に大きな衝撃を受けた」とし、「南北問題に対する大統領の極右的認識に深い遺憾と憂慮を表する。大統領こそ偽りの扇動とフェイクニュースを作り出すのを止めるべきだ」と論評した。

ペ・ジヒョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1097869.html韓国語原文入力:2023-06-28 23:22
訳H.J

関連記事