韓国外交部は、野党「共に民主党」が太平洋の島しょ国に福島第一原発の汚染水放出に関して国際的連帯を求める書簡を送ったことについて「対外的次元で憲法上行政府が持つ固有の権限を尊重しないものであり、国の外交行為の単一性という面で正しくないため、遺憾だ」と表明した。政府省庁が政党に遺憾を表明したのは異例。
外交部は25日、担当記者団に送ったショートメッセージで「共に民主党の今回の書簡発送は、国際原子力機関(IAEA)を含む国際社会の共同の努力はもちろん、韓国の安全性評価の努力を何の科学的根拠も提示せず度外視するものであり、客観的な検証と判断の助けにはならない」と述べた。
外交部は「韓国政府はこれまで一貫して明らかにしてきた福島第一原発の汚染水放出に対する立場を貫徹するため、太平洋の島しょ国およびIAEAなどの国際社会と積極的に協力してきた」とし「これからも韓国政府は、国際的権威が認められているIAEAの検証結果、そしてこれとは別に進めてきた韓国自らの科学・技術的分析の結論を総合的かつ客観的に判断し、必要な対応と協力を行っていく予定」だと表明した。続けて「このような我々の対応の方向性は、主要7カ国(G7)などの主要先進国の立場と軌を一にするものであり、韓国水産業界の利益を保護し、国民の健康と安全を保護する最も効果的な方策」だと付け加えた。
民主党は21日、太平洋諸島フォーラム(PIF)所属のオーストラリア、フィジー、マーシャル諸島など18カ国とPIF事務局に対し、福島第一原発の汚染水放出について国際的連帯を求める書簡を発送した。書簡には汚染水の海洋放出についての最近の問題、海洋法裁判所への暫定措置請求の必要性、国際連帯の必要性などが記されている。
民主党の書簡送付について、与党「国民の力」のユン・ジェオク院内代表は23日、「国際慣行に照らして、通常の範囲を越える深刻な国益損傷行為であり、外交権限を大統領の権限と認めている憲法の原則と趣旨にも反する、非常に不適切な行為だ」と批判している。これは外交部の立場表明と同じ趣旨だ。