慶尚南道は「道立日本軍慰安婦歴史館を建設する」としたキム・ギョンス前知事の約束を廃棄した。
慶尚南道女性家族局のペク・サムジョン局長は5日、「外部委託研究の結果、道立日本軍慰安婦歴史館建設事業は経済的な妥当性が低く、歴史館に展示する資料も不足していることが分かった。総合的に分析したが、このような結果が出た状況において事業を続けることは難しい。今後資料が大量に見つかるなど、状況が変われば再び推進することもありうるが、今は違う」と述べた。しかしペク局長は、歴史館建設事業取り消しの根拠として用いた委託研究結果の具体的内容については「慰安婦被害者の個人情報などの敏感な内容が多く含まれているため、研究の結果報告書を部外秘に分類した。したがって、マスコミなどに結果報告書を公開することは困難だ」と語った。
キム・ギョンス慶尚南道知事(当時)は2020年8月14日、慶尚南道立日本軍慰安婦歴史館の建設を公に約束した。慶尚南道は2015年に全国の自治体で初めて「日本軍慰安婦被害者記念日」を条例で制定しているが、キム前知事は第5回記念日の行事に参加した際に「私たちの子孫に真実をきちんと伝えることのできる歴史館が慶尚南道地域にも作られるべきだ」として、歴史館建設推進方針を公に表明した。
この方針に従い、慶尚南道は2021年6月から12月にかけて、外部に委託し「慶尚南道の日本軍慰安婦資料収集および歴史館推進方策の研究」を行った。研究の結果、資料が470件あまりに過ぎないことが判明したため、昨年11月からは再び外部に委託して「慶尚南道の日本軍慰安婦被害者に関する深化資料の調査・発掘・収集の研究」を進めている。
しかしペク局長は「現在進めている委託研究は歴史館建設のためのものではない。研究課題にも歴史館建設に関する内容はない。研究を通じて発掘・収集した資料は慶尚南道記録院に保管するなど、集まった資料の量と内容を見て処理策を決める」と語った。
これに対して「慶尚南道地域日本軍『慰安婦』歴史館建設推進委員会」は「歴史館建設は歴史正義と女性の人権の問題だが、それを経済性が低いという理由で白紙撤回するのは歴史的責務をないがしろにする行為」だと強く批判した。推進委のソン・ドジャ執行委員長は「前知事の約束であっても、特別な理由がない限り後任の道知事はその約束を守らなければならない。慶尚南道にこのことを強く要求する。また、現在進められている資料発掘・収集のための委託研究も支障なくきちんと進めることを要求する」と話した。