日帝強制動員被害者の支援団体が、強制動員企業の賠償金の財源を国内の企業による寄付金で確保しようという韓国政府の推進案に対し、反対を表明した。
日帝強制動員市民の会、民族問題研究所、被害者代理人団は26日、ソウルと光州(クァンジュ)で記者会見を行い、「強制動員問題に対する韓国政府の有力な案について、先週外交部から聞いた」とし、反対する立場を明らかにした。
同団体が公開した韓国政府の有力案は、行政安全部傘下の日帝強制動員被害者支援財団が韓国企業から寄付を集め、それを財源とし、訴訟で勝訴の確定している被害者に対して日本企業が支払うべき賠償金を支払うというのが骨子だ。実際に日帝強制動員被害者支援財団の定款に記されている目的事業には「被害者への補償および返済」が追加され、行政安全部の承認だけが残っている。
被害者支援団体などは「日本の被告企業による謝罪や拠出がないだけでなく、日本の他の企業の拠出さえない、日本を免責する案」だと批判した。また「被害者を支援するために設立された支援財団と被害者が争うという、あきれた状況を迎えることになるだろう」と指摘した。続けて「韓国政府は日本が最も望む、被害者の意思などは排除して彼らの債務を一方的に消滅させるやり方で進んでいる」、「韓国政府がこの有力案を最終案として確定し発表するという愚かなことは、あってはならない」と主張した。
日帝強制動員市民の会のイ・グゴン理事長は「法的責任を取るべき日本の加害企業を除外し、被害国の企業に資金を寄付させて代わりに後始末させようとする、恥辱的な方策」だとし「戦犯企業の謝罪と賠償もないごまかしを推し進めてはならない」と述べた。
ヨ・ウンテクさんら4人の強制動員被害者は、日本製鉄(旧新日鐵住金)を相手取って起こした損害賠償請求訴訟で、2018年10月30日に最高裁の勝訴判決を勝ち取っており、ヤン・クムドクさん(93)、キム・ソンジュさん(93)ら5人(生存2人)も2018年11月に最高裁で日本企業に被害者1人当たり1億~1億5000万ウォンの賠償を命じる判決を勝ち取っているが、日本企業は賠償していない。