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「お姉さん」と名乗った人は男だった…性的マイノリティの青少年を狙う性搾取=韓国

登録:2022-11-14 02:59 修正:2022-11-14 08:54
最も「安全だ」と思っていたオンライン空間が性搾取のルートに
青少年の性的マイノリティ危機支援センター「ティンドン」には、青少年の性的マイノリティによる性暴力・性売買被害の相談要請が絶えない=クリップアートコリア//ハンギョレ新聞社

 「私も性的マイノリティです。仲良くしましょう!」

 青少年で性的マイノリティのAさんは今年初め、性的マイノリティ同士が交流するプラットフォームで、ある「お姉さん」に出会った。学校で性的マイノリティであることを明かすことができなかったAさんは、普段はオンラインで同じ性的アイデンティティを持つ友人と交流していた。「お姉さん」もその中の一人だった。特に共通点の多かった「お姉さん」とはすぐに親しくなり、名前や住んでいる場所、学校などの個人情報も共有した。ある日、「お姉さん」は互いに女性であることを証明しようと言って体の露出している写真を送ってほしいと言った。Aさんは疑わずに写真を渡した。「お姉さん」の態度は急変した。「家と学校に性的マイノリティであることを知られたくなければ私に服従した方が良い」。17歳だと言っていた「お姉さん」は成人男性、性搾取者だった。

 「性的マイノリティ」であり、かつ「青少年」であるせいで「二重の脆弱性」を持つ被害者を、性搾取者たちは狙っている。青少年性的マイノリティ危機支援センター「ティンドン」には、Aさんと似たような経験を持つ性的マイノリティ青少年の被害相談要請が絶えない。ティンドンの相談統計によれば、最近1年間(2021年11月~2022年10月)に性的マイノリティ青少年が性暴力・性売買犯罪被害で相談を要請した件数は34件。

 性搾取者たちは、性的マイノリティ青少年が「安全だ」と考える空間を性搾取のルートとして利用する。性的マイノリティ青少年の中にはSNS、性的マイノリティ専用プラットフォームなどの匿名性が保証されたオンライン上で性アイデンティティを明かして活動する人もいる。十代女性人権センターのクォン・ジュリ事務局長は「性搾取者はより脆弱な人々を探すようになっているため、最近は青少年の性的マイノリティまでもがターゲットとなっている」と指摘した。

 「アウティング(性的マイノリティであることを本人の了解を得ずに暴露すること)」は、加害者が性搾取のためによく気軽に振り回す武器だ。性的マイノリティであることを周囲に明かしていない性的マイノリティ青少年たちは、アウティングそのものだけでも暴力的な状況にさらされ得るという脅威を感じるからだ。ティンドンに寄せられた別の性搾取被害例を見ると、青少年のBさんはビデオ通話をしようと性搾取犯に誘われ、彼が示したリンクをクリックしたところ、連絡先ya

がすべて彼に渡ってしまった。加害者は「自分と性関係を持たなければアウティングする」と脅迫した。ティンドンのソン・ジウン人権擁護チーム長は「加害者は、成人の性的マイノリティからはアウティングで金を脅し取り、青少年には性搾取物作成や性関係などを強要する例が多い」と話した。

 被害を届け出るのも容易ではない。やはりアウティングのせいだ。ソン・ジウン・チーム長は「未成年者の場合は両親に知らせなければならないという法律上の義務はないのに、捜査機関のほどんどは保護者の連絡先を教えてほしいという。アウティングを恐れる被害者は被害を届け出ることを断念せざるを得ない」と指摘した。ソン・チーム長は「青少年の性的マイノリティ被害者の保護者が被害を知り、子どもの性アイデンティティを非難することもあるが、絶対に避けるべき対応のあり方」だと語った。

パク・コウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1066999.html韓国語原文入力:2022-11-13 15:17
訳D.K

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