性的マイノリティ団体の体育館使用を取り消したソウル市東大門区と東大門区施設管理公団に対し、「性的指向などを理由にした差別行為」に当たるとして損害賠償せよという判決が、韓国最高裁で確定した。
24日の本紙の取材を総合すると、最高裁3部(主審キム・ジェヒョン最高裁判事)は、性的マイノリティ人権団体「クィア女性ネットワーク」所属の「オンニネットワーク」と活動家4人が、東大門区と東大門区施設管理公団などを相手取り起こした損害賠償請求訴訟で19日、審理不続行棄却で、原告一部勝訴判決を下した原審を確定した。審理不続行棄却とは、原審に重大な法令違反など特別な理由がなければ最高裁が本案審理なしに上告を棄却する制度だ。
クィア女性ネットワークは2017年10月21日、クィア女性生活体育大会を開くために、東大門区体育館を貸館予約した。しかし、性的マイノリティの行事であるという理由で苦情が来たことを理由に、東大門区施設管理公団は行事を約1カ月後に控えた同年9月26日、「体育館の天井の工事をしなければならない」として、貸館取り消しを通知した。その過程で公団関係者は団体側に「(行事が)良風美俗を害する恐れがある」という趣旨のことを話してもいる。これに対しオンニネットワークと活動家たちは「貸館取り消しは体育大会の目的および予想参加者たちの性的指向などを理由にしたもので、性的指向などを理由にした差別に当たり違法である。貸館許可取り消しにより活動家の平等権および集会の自由が侵害された」として、2020年1月に損害賠償請求訴訟を起こした。
一審は体育館貸館取り消しは違法だとしながらも、これによる損害が発生したとはみられないとし、原告敗訴の判決を下したが、二審は原告の主張を大部分認めた。5月、控訴審の担当法廷は公団がクィア女性ネットワークに体育館を貸館した直後から抗議の申立てを受けていた点、体育館工事に緊迫した事情がなかったという点などを考慮し「貸館許可取り消しは性的指向などを理由とした差別行為であり、オンニネットワークに対する差別であるだけでなく、体育大会の開催・準備者および予想参加者に対する差別でもある。したがって、貸館許可取り消しにより団体と活動家の平等権がすべて侵害された」とし、それにともなう損害賠償責任も認めた。損害賠償額は、公団が貸館許可取り消しの違法性を知りながら取り消した点、貸館許可取り消し理由を虚偽通知した点、差別行為再発防止の必要性がある点などを考慮し、団体に500万ウォン、活動家1人あたり100万ウォンの計900万ウォンに決定された。
訴訟に参加したパク・ハンヒ弁護士(希望をつくる法律)は、ホームページを通じて勝訴のニュースを伝え、「韓国社会に蔓延している公共機関の性的マイノリティ差別に警鐘を鳴らすための訴訟だった。長い裁判を経て、最高裁で最終的に意味ある判決を受けたが、今後も差別に立ち向かってすべての領域での平等を達成するために闘い続ける」と感想を表明した。