尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は1日、梨泰院(イテウォン)惨事について「慣性的な対応や形式的な点検では国民の命と安全を完全に守ることはできない」とし、「事故と災害に対する対応は、徹底的かつ用意周到になされなければならない」と語った。
尹大統領はこの日、龍山(ヨンサン)の大統領室で行われた国務会議で「関係機関は自分の家族のことだと考え、遺族と負傷者一人ひとりを格別に気づかってほしい」として、このように語った。続いて「外国人死傷者も韓国国民と変わらず最善を尽くして支援する」と述べつつ、米国のジョー・バイデン大統領、日本の岸田文雄首相、中国の習近平主席ら各国首脳が哀悼の意を伝えてきたと述べた。
尹大統領は、大規模な群衆を管理しうる制度改善も注文した。大統領は「梨泰院惨事はいわゆる『クラウドマネジメント(群衆管理)』という群衆事故管理・統制の重要性を如実に示した」とし、「ドローンなどの先端のデジタルの力を積極的に利用して技術を開発するとともに、必要な制度的補完もしなければならない」と語った。大統領室のイ・ジェミョン副報道官によると尹大統領は、非公開会議では「自治体と警察が権限と責任を区分するのではなく、あらかじめ協業できる制度的装置を作らなければならない。すべての省庁が安全の主務省庁だという格別な覚悟で根本的な対策を立てなければならない」と注文した。政府は来週初め、関係省庁の長官と専門家が参加する国家安全システム点検会議を開催する。
ハン・ドクス首相は政府ソウル庁舎で中央災害安全対策本部の会議を開き「多重密集場所の安全規則などを含む安全教育の強化策を立て、安全教育が内実あるものとなるようにする」とし、「未来世代に二度とこのような事故が起こることのないよう、制度改善にも最善を尽くす」と語った。教育部が主務を担う安全教育の後続措置には、現在は教師用の指導書が中心となっている学校安全教育7大標準案の生徒用活動資料中心への変更、教育放送(EBS)との協業やメタバース技術を用いたコンテンツ開発などの内容が盛り込まれた。