「交通規制さえできていれば、このような惨事は起きなかったでしょう」
154人の命を奪った梨泰院(イテウォン)惨事について、周辺の商人たちは、事前に十分に防げる惨事だったと口をそろえた。惨事現場近くのタバコ屋の店員、キム・ヒョンジュンさん(20)は30日、本紙に対し、「大統領1人の警護には数百人の警察を使うのに、10万人の国民の命を守るのには200人しかいなかったというのは話にならない」とし、上のように述べた。
キムさんは「(警察や自治体などは)これほどの人が集まることは十分に予測できたと思う。2~3週間前に地球村祭りをやった時はメイン道路に車が入らないように規制していたのに、道路がいっぱいになるほど人が多かった」とし「ハロウィーン期間なら当然人が集まると予測できたはずだ。国民の命に責任を負うべき方々が知らなかったというのは話にならない。地球村祭りの時は車の進入を規制し、人も一方通行にしていたのに、今回はそのような規制が全くなかった」と述べた。
15~16日に梨泰院一帯で開催された梨泰院地球村祭りは、梨泰院観光特区連合会が主催し、ソウル市と龍山区が後援した。自治体が自主的に開催した祭りであるため、梨泰院駅付近のメイン道路を規制し、道路上で各種行事を行った。だが今回のハロウィーンは行事の主体がなかったため、公権力による規制は特になされなかったとみられる。事故地点近くで40年間にわたり洋服店を営んでいるナ・ヨンスンさん(74)は、「(地球村祭りは)区役所が主催する行事だが、ハロウィーンはそうではない。若者たちが来て楽しむものなので、規制していなかったようだ」と話した。
梨泰院の世界飲食文化通りに設置されたブースが事故に影響を与えた可能性もあるとの証言もある。世界飲食文化通りは、ハミルトンホテルの裏通りだ。梨泰院駅周辺のメイン道路と世界飲食文化通りが人でいっぱいになったことに伴い、この2つの道を結ぶ狭い路地で今回の惨事が発生した。世界飲食文化通りを行き来する両方向の人の流れが出会うことで狭い路地へと抜ける流れが発生し、ボトルネック現象が生じたのだ。警察や龍山区役所が事前に歩行者の動線を規制する一方通行などの措置を取っていたなら、惨事は防ぐことができたという主張がなされているのもそのためだ。
世界飲食文化通りの端にあるコンビニエンスストアの店員、キム・ギョンモさん(21)は、「クラブのあるこの通りはハロウィーンのメイン通りなので多くの人が集まるし、普段はなかったフェイスペインティングのブースや野外テーブルが多かったため、(歩ける空間が)さらに狭くなっていた」と語った。