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キム・ムンス経済社会労働委員長が13日午前、ソウル麻浦区の韓国経営者総協会（経総）を訪れ、ソン・ギョンシク会長とあいさつを交わしている/聯合ニュース

　経済社会労働委員会（大統領直属の諮問委員会）のキム・ムンス委員長が連日、文在寅（ムン・ジェイン）前大統領と野党、労働界に対する共産主義論攻撃、従北（北朝鮮を追従する）レッテル貼り発言で波紋を呼んでいる。野党「共に民主党」は反発してキム委員長の辞任と尹錫悦（ユン・ソクヨル）大統領の謝罪を要求しており、与党でも憂慮していた「キム・ムンス・リスク」が現実のものとなったとの反応が示されている。

　キム委員長は13日のCBSラジオのインタビューで「朴槿恵（パク・クネ）大統領懲役22年、李明博（イ・ミョンバク）大統領懲役17年、4人の国情院長を全員監獄に送った文大統領は、おそらく歴史の審判を受けるだろう」と語った。前日の国会環境労働委員会の国政監査で「文大統領がシン・ヨンボク先生を最も尊敬する思想家と言うなら、確実に金日成（キム・イルソン）主義者だ」と述べ、国政監査場から退場させられたのに続き、元大統領に対する裁判所の判決まで否定しつつ、文前大統領を批判したのだ。同氏は2019年の自由韓国党主催の討論会での「文在寅は銃殺対象」という暴言について「今でもそのような考えを持っているのか」と尋ねた議長に対し「今でもそうだ」と答えた。キム委員長はさらに、ソウル麻浦区（マポグ）の韓国経営者総協会（経総）を訪ねてソン・ギョンシク会長と会い、「所有権を侵害することになれば共産主義になる」とし、「黄色い封筒法」（労組のストで発生した損失に対し社側の損害賠償を制限する内容等を含む法案）も批判した。

　民主党は強く反発した。オ・ヨンファン院内報道担当は論評で「労働者憎悪と極右理念の染みついた時代錯誤的な人物を、社会的対話のための経社労委の委員長に任命した尹錫悦大統領の意図は、一体いかなるものか」とし、「キム委員長は辞任のみが答えだ。尹大統領は今からでも国民の前で謝罪してほしい」と述べた。民主党の国会環境労働委員は与野党協議後、キム委員長を国会侮辱の疑いなどで告発すると述べた。前日の環境労働委員会の国政監査でキム委員長が「民主党のユン・ゴニョン議員は（北朝鮮の）首領様に忠誠を尽くしている」、「新型コロナウイルスワクチンを北朝鮮に送ろうと言った民主党は共に南労党」だとの趣旨の答弁をしたことが、国会を侮辱したということだ。ユン・ゴニョン議員はこの日の文化放送（MBC）ラジオでのインタビューで「21世紀に長官級の人物が共産主義論攻撃と従北レッテル貼りを国会のさなかで国政監査を受けている最中にするということ自体が容認できなかった」とし、「まさに頭に血が上るという感じだった」と語った。

　与党「国民の力」では「結局、事が起こるべくして起こった」との反応が示された。党指導部のある議員は、セウォル号遺族を侮辱して物議をかもしたチャ・ミョンジン元議員に言及しつつ、「チャ元議員と同じではないか。キム委員長は大きな事故を起こした」と述べた。環境労働委員会所属の国民の力の議員も「経済社会労働委員会、労働界と経営界において理念的に両極端にいる人々の対立も調整しなくてはならない機関だが、キム委員長は基本的に対話ができない人だ。特に20～30代の現場労働者には全く通用しない」とし、「人選の時から否定的だったが、結局は事が起こった」と語った。

　野党が尹大統領に謝罪を求めるなど、キム委員長の暴言の波紋が広がっていることを受け、大統領室は「キム委員長のさらなる釈明が必要だ」と距離を取った。大統領室の主要関係者は「キム委員長が自ら説明する機会を持つべきではないかと思う」と語った。