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[社説]韓国与党委員長、「日本免罪符」妄言謝罪し、与野で実質的安保対策論議を

登録:2022-10-12 08:13 修正:2022-10-12 09:35
国民の力のチョン・ジンソク非常対策委員長が11日、国会議員会館で行われた「半導体人材養成の大転換!江原道が始めます」と題する討論会で祝辞を述べた後、取材陣の質問に答えている=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 与党「国民の力」のチョン・ジンソク非常対策委員長が11日にフェイスブックで「朝鮮はなぜ滅びたのか。日本軍の侵略で滅びたのか。朝鮮は内部が腐り、それで滅びた。日本は朝鮮王朝と戦争をしたことがない」と主張した。野党代表の「親日国防」との問題提起に対抗するという意図からのものだったとしても、容認できない妄言だ。大韓民国の政権与党代表の口から出た言葉だというのが信じられない。

 旧韓末の政権勢力の無能と卑怯さは反面教師にすれば良い。かといって、隣国を無理やり占領し、数多くの人を殺し収奪した日本帝国主義の歴史的、実体的責任に免罪符を与えることは決してあってはならない。朝鮮が植民地になったことを単に民族内部の過ちのせいにし、日本の侵略の責任からは目をそらせたチョン委員長の発言は、典型的な植民地史観の表出に過ぎない。特に「日本は朝鮮王朝と戦争をしたことがない」との発言は、日帝による強占を前後して全国的に展開された抗日義兵戦争の歴史的事実さえ否定する没歴史的強弁だ。だから国民の力の中からも「典型的な加害者の論理。高句麗にも内紛はあったが、唐の侵略で滅びたのではないということか」(キム・ウン議員)のような批判の声があがっているのだ。チョン委員長は自らの愚かな妄言について心から反省し、謝罪すべきだ。

 野党「共に民主党」のイ・ジェミョン代表は、最近東海で2回にわたり繰り広げられた5年ぶりの韓米日軍事訓練について「極端な親日行為」と批判したのに続き、「旭日旗が朝鮮半島にかかる日がやってくるかもしれない」と述べるなど、連日主張している。韓米日軍事訓練が日本の軍事大国化に大義名分を提供し、朝鮮半島に対する軍事的介入の可能性を高める自滅的な手段になりうるという憂慮そのものは妥当だ。特に、今回の訓練の場所が独島(ドクト)周辺の海上だったという点で、韓国政府は一層慎重な対処が必要だった。しかし冷徹にアプローチすべき安保問題に対する「親日」「反日」のような国民感情を刺激する二分法的アプローチは、実質的な対策の議論を難しくするという点で望ましくない。北朝鮮の実質的脅威と国際秩序の急変にいかなる代案も提示せずに批判ばかりを繰り返すことも、責任ある姿勢ではない。

 与野党いずれも国益と国民の安全を最優先にして、北朝鮮の脅威に備えつつも、日本の軍事介入に対する懸念を払拭する実効的な方策の模索に力を注いでほしい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/1062228.html韓国語原文入力:2022-10-11 18:27
訳D.K

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