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岸田首相、就任後初めて「韓国と協力」言及…「緊密に意思疎通する」

登録:2022-10-04 05:28 修正:2022-10-04 07:04
尹錫悦大統領と岸田文雄首相が先月21日(現地時間)、ニューヨーク・マンハッタンの国連総会会場近くのカンファレンスビルで、午後12時23分から約30分間にわたり話し合った/聯合ニュース

 岸田文雄首相が今後の国政運営方針を示す国会の所信表明演説で、韓国を「様々な課題への対応に協力していくべき重要な隣国」だとし、「緊密に意思疎通していく」という意向を明らかにした。日本も「韓国と関係改善を望む」という意志を表わした発言だが、懸案問題に対する解決策作りが容易ではなく、本格的な関係改善にはさらに時間がかかるものとみられる。

 岸田首相は3日午後開院した臨時国会の所信表明演説で、韓国についてこのように述べ、「国交正常化以来築いてきた友好協力関係の基盤に基づき、日韓関係を健全な関係に戻し、更に発展させていく必要がある」と強調した。岸田首相は文在寅(ムン・ジェイン)政権末期の今年1月の施政方針演説では、韓国に対して「重要な隣国である韓国に対しては、我が国の一貫した立場に基づき、適切な対応を強く求めていく」と短く言及するにとどまった。当時と比べてみると、協力の必要性を強調する表現が入り、韓国を追い込むような「一貫した立場」、「適切な対応を強く求める」といった表現が消えたことがわかる。

 日本の首相が国会で発表する施政方針演説(年明けの通常国会)と所信表明演説(秋の臨時国会)は、今後の国政運営の大きな方向が示されるという点で、注目する必要がある。特に韓国と関連して、安倍晋三元首相は2014年までは韓国を「基本的な価値と利益を共有する最も重要な隣国」と表現したが、日本軍「慰安婦」問題で対立が深まった後の2015年には「基本的価値」を取り除き、「最も重要な隣国」と述べた。以後、北朝鮮の核・ミサイル発射実験が続いたことを受け、2016年と2017年には韓日軍事協力の必要性を強調して「戦略的利益を共有する重要な隣国」という表現を使ってきた。両国関係が最も悪化し2019年には言及を避けた。

 岸田首相が韓国に配慮する姿を見せたのは、安全保障をめぐる中国と北朝鮮の脅威に対応するためには両国間の協力が不可欠だと考えるからだ。尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権も日本の懸念に共感し、韓米日軍事協力を積極的に進めている。また、先月21日には「屈辱外交」という批判を押し切って30分間の略式会談も行った。

 だが、日本が直ちに最大懸案の強制動員被害者賠償問題に対して「誠意ある対応」に乗り出す可能性は低いものとみられる。岸田首相はこの日も「国交正常化以来の友好協力関係の基盤に基づき、両国関係を発展させる」とし、両国間の賠償・補償問題は1965年の韓日請求権協定ですべて解決済みという従来の立場を明確にしたためだ。

 世論の反感を買った安倍元首相の国葬が終わったにもかかわらず、支持率が小幅低下したのも「妥協」を難しくする要因だ。3日に発表された読売新聞と朝日新聞の世論調査の結果によると、内閣支持率は1カ月前よりそれぞれ5ポイントと1ポイント下がった。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1061134.html韓国語原文入:2022-10-04 02:40
訳H.J

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