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尹大統領、国連総会で「自由と連帯を」

登録:2022-09-21 06:27 修正:2022-09-21 09:32
就任後初の国連総会演説…北朝鮮に直接的なメッセージはなし
尹錫悦大統領が20日(現地時間)、米ニューヨークの国連総会で演説を行っている=ニューヨーク/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は20日(現地時間)、米ニューヨークで開かれた第77回国連総会での演説で、「自由と平和に対する脅威は、国連と国際社会が蓄積してきた普遍的な国際ルールを強く支持し、連帯することで乗り越えていかなければならない」とし、自由という価値を共有した国家間の連帯を強調した。北朝鮮に対する直接的なメッセージはなかった。

 尹大統領は就任後初めての国連総会演説で「真の自由と平和は疾病と飢餓からの自由、非識字からの自由、エネルギーと文化の欠乏からの自由を通じて実現できる」とし、このように述べた。尹大統領は加盟国首脳の中でカタール首脳に続き10番目に演壇に立ち、韓国語で約11分にわたり演説した。

 尹大統領は5月の大統領就任式と光復節記念式典での演説に続き、国連総会でも「自由」を強調した。演説のタイトルも「自由と連帯:転換期の解決策の模索」だった。尹大統領は「力による現状変更や、核兵器をはじめ大量破壊兵器、人権の集団的蹂躙で再び世界市民の自由と平和が脅かされている」としたうえで、「解決策を模索する出発点は、我々がこれまで普遍的に受け入れ蓄積してきた国際ルール体系と国連システムを尊重し、連帯すること」だと述べた。さらにパンデミック状況や脱炭素課題、デジタル格差などに言及し、「国連を中心に国際社会の協力が重要な課題になった」として、協力を呼び掛けた。

 尹大統領は「大韓民国は国際社会の責任ある一員として、世界市民の自由と国際社会の繁栄のために責任と役割を果たす」とし、具体的な実践案として、新型コロナのワクチン・治療薬のアクセスを促進する枠組み「ACTアクセラレーター(ACT-A)」に3億ドル寄与▽世界銀行の金融仲介基金(FIF)に3千万ドル公約▽11月のグローバル保健安全保障構想アジェンダ(GHSA)閣僚会議のソウル開催▽グローバル感染症対応のためのグローバルファンドに参加▽グリーンODAの拡大などを挙げた。

 キム・ソンハン国家安保室長は記者会見で、尹大統領の演説について「韓国が1人当たりGDP100ドルにも満たない国から自由民主的価値を実現し、世界10大経済大国に跳躍できたのは、米国をはじめ自由という価値を共有する自由世界国家が韓国を信じて積極的に支援したためだ。良い先例を国連とともに実践しようというものだ」と意味付けした。

 大統領室の高官は今回の演説に対北朝鮮メッセージが含まれなかったことについて、「(光復節記念演説の)『大胆な構想』にこれ以上加えることも、取り除くこともない状況だ」と述べた。「北朝鮮が非核化対話に乗り出せば大々的な経済支援を行う」という尹大統領の「大胆な構想」の提案後、北朝鮮が核兵器を法制化するなど、むしろ核による脅威を強めている現実を踏まえたものと見られる。同高官は「核兵器など大量破壊兵器、人権蹂躙で世界市民の自由と平和が脅かされているという尹大統領の演説内容が北朝鮮に対する間接的メッセージ」だと付け加えた。

ニューヨーク/キム・ミナ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1059428.html韓国語原文入力:2022-09-2102:52
訳H.J

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