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韓日首脳会談、強制動員の解決策めぐる隔たりで最後まで五里霧中

登録:2022-09-21 06:23 修正:2022-09-21 07:45
パク・チン外交部長官(右)と日本の林芳正外相が19日午後(現地時間)、米ニューヨーク・マンハッタンのあるホテルで会談する前に肘タッチをしている=マンハッタン/聯合ニュース

 米ニューヨークでの国連総会を機に進められている韓日首脳会談をめぐり、両国の外交当局が最後まで熾烈な神経戦を繰り広げている。両国の外相は主要懸案の日帝強占期(日本による植民地時代)の強制動員被害者に対する賠償問題をめぐり、現地で会談を開いたが、日本側はこれといった態度の変化を見せていない。

 米ニューヨークを訪問中のパク・チン外交長官は19日午後(現地時間)、林芳正外相に会い、就任後4回目の2国間会談に臨んだ。イム・スソク外交部報道官は20日、ソウルでの定例ブリーフィングで「パク長官は直接会って傾聴した強制徴用被害者たちの声と、4回にわたって行われた官民協議会などを機に聴取した国内各界各層の多様な意見を具体的に日本側に伝え、誠意のある対応を求めた」とし、「日本側も真剣な態度を示し、深く意見を交わした」と話した。

 外交部当局者の説明によると、パク長官は官民協議会などを通じて出た様々な解決策と被害者側の要求などをかなり具体的に伝えたという。特に、5日に活動を終えた官民協議会で政府予算を投入し賠償金の財源を用意することは望ましくないという指摘が出ており、韓日企業など民間主導で財源を作るべきという点を日本側に説明したものとみられる。被害者側は三菱重工業など日本の加害戦犯企業が謝罪し、賠償に参加することを「最小限の前提」として掲げてきた。

 しかし、日本側は謝罪、賠償と関連して具体的な態度を明らかにしていないものとみられる。日本側は両国関係の改善のため、強制動員被害者賠償問題を解決しなければならないという必要性には共感するが、韓国側が先に適切な解決策を講じるべきだという従来の立場を伝えたという。朝日新聞などは「林氏が尹錫悦大統領の就任100日の会見などで日韓関係改善に意欲を示したことについて、『前向きに受け止め、歓迎している』と述べた」としながらも、強制動員被害者問題は1965年の韓日請求権協定で解決済みであるため、「韓国側の責任で徴用工問題の解決策を講じるべきだという日本側の一貫した立場を改めて伝えた」と報じた。

 外相会談で両国の立場が激しく対立したことで、韓日首脳会談が実現するかどうかも依然として霧の中にある。外交部当局者は、両国の閣僚会談で首脳会談関連の議論が行われたかについて、「会談の具体的状況について、追加で説明する内容はない」と述べ、言及を避けた。

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は18日の出国前、ニューヨーク・タイムズ紙のインタビューで、強制徴用問題を含め安全保障分野での韓日協力、経済・貿易懸案などを全て一つのテーブルの上に載せ「一括妥結」を目指すという考えを明らかにした。北朝鮮の核問題に対応する韓米日安全保障協力の強化に向け、韓日関係の改善を急がなければならないという認識を示したわけだ。外交部が韓日外相会談の結果を説明しながら「両長官は最近急変している国際情勢および厳しい朝鮮半島状況などを踏まえ、韓日および韓米日協力を持続強化すべきという認識を共にした」と強調したのも、このような脈絡からだ。

 問題は、尹大統領と岸田文雄首相の支持率が低迷し、国内政治的困難に直面しているという点だ。歴史問題は両国間の「厄介な問題」であるため、相手への「譲歩」に見える行動は避けざるを得ない。このため外交街では「韓日首脳会談が実現しても、軽くあいさつだけを交わす略式会談になる可能性が高い」という見通しが示されている。

チョン・インファン記者、東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/1059391.html韓国語原文入力:2022-09-21 02:40
訳H.J

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