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日本軍「慰安婦」関連記録物、慶尚南道指定記録物第1号に指定

登録:2022-09-13 06:31 修正:2022-09-13 06:50
写真など3万7485点…自治体では初めて
慶尚南道は今月8日、日本軍慰安婦関連記録物3万7485点を道指定記録物第1号に指定した=慶尚南道提供//ハンギョレ新聞社

 慶尚南道が日本軍「慰安婦」関連記録物を道指定記録物第1号に指定した。慶尚南道は日本軍慰安婦と関連しては最大の被害地域であり、地方自治体が関連記録物を指定記録物に指定したのは初めて。

 慶尚南道は8日、「日本軍慰安婦関連記録物3万7485点を道指定記録物第1号に指定し、慶尚南道公報に告示した」と発表した。具体的に「日本軍慰安婦ハルモニ(おばあさん)と共にする統営・巨済市民の会」が保存・管理していた記録物3万7171点(1-1号)と、「南海女性会」が保存・管理していた記録物314点(1-2号)が道指定記録物に指定された。

 記録物は慰安婦被害者の口述記録と慰安婦被害者登録関連資料、遺品と生前写真、被害者心理治療作品など慰安婦被害者関連記録物をはじめとして、日本政府に真相究明や公式謝罪、法的賠償などを促す活動関連記録物、市民と共にする文化祭・行事の過程で生産された記録物などだ。形は紙文書、視聴覚資料、博物類など様々だ。1940年代初めに撮った中国慰安所の写真や被害者たちが証言した口述視聴覚資料、被害者たちが直接描いた絵などが代表的だ。

 記録物の保存・管理は両団体がこれまで通り行う。慶尚南道は記録物管理台帳を作成し、今年末に予算500万ウォン(約51万8千円)を確保し、来年から両団体に支援する。慶尚南道記録院のチョン・ジヘ担当者は「単純に保存・管理のための指定で終わるのではなく、歴史教育資料として記録物を活用できるよう両団体と協議する計画だ。まだ発掘されていない記録物を探す努力も続けていく」と明らかにした。「日本軍慰安婦ハルモニと共にする統営・巨済市民の会」のソン・ドジャ代表は「今回1-1号に指定された記録物は、昨年から整理した1次分の記録であり、今後さらに多くの資料をまとめて追加指定されるようにする計画だ。道指定記録物の指定により、非人道的犯罪である日本軍慰安婦問題の残酷な歴史を正しく確立し、被害女性の尊厳の回復と正義を実現する大切な土台になると期待している」と語った。

 韓国政府が公に把握した国内の日本軍慰安婦被害者は247人。このうち30%ほどが慶尚南道出身だ。慶尚南道出身の被害者が多い理由は、慶尚南道が地理的に日本と近く、慰安婦の1次集結地が釜山(プサン)だったため、慶尚南道で主に多くの女性が慰安婦に差し出されたものと分析される。現在、247人のうち生存者は11人で、慶尚南道出身の生存者は1人。

 今回の措置は2020年2月「慶尚南道民間記録物収集と管理に関する条例」を作ったのに続く後続作業だ。同条例は「道指定記録物」を「道内が中心の民間記録物のうち、永久に保存する価値があると認められ、道知事が指定し保存・管理する記録物」と定めている。

チェ・サンウォン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/area/yeongnam/1058123.html 韓国語原文入力:2022-09-0902:30
訳H.J

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