日増しに暑くなる一方で依然として凍りついている南北関係。この冷戦を支える中心勢力である「保守キリスト教」の変化を診断し、解決策を模索する行事が相次いで開かれる。
朝鮮戦争停戦68周年を迎える27日、韓国キリスト教教会協議会100周年記念事業特別委員会は、午後3から6時までの予定で「冷戦と韓国キリスト教」をテーマとする学術シンポジウムを開く。NGO「平和と神学」も同じ日の午後7時30分に「分裂した心と韓国教会」というテーマでフォーラムを開く。新型コロナウイルスのまん延により、両行事ともオンライン画像プラットフォーム「Zoom」で行われ、YouTubeで生中継される。
「冷戦と韓国キリスト教」では、梨花女子大学のソ・ミョンサム教授が発題を行う。すでに発表されている発題原稿で、ソ教授は「2010年代半ばになると、韓国のプロテスタント右派は従来の冷戦パラダイムにもとづく政治的メッセージを多少和らげる一方、同性愛とイスラム教に対抗するスローガンを前面に掲げ、彼らの関心を文化戦争に集中させはじめた」と説明した。ソ教授は「2014年から米国大使館はフランス大使館およびドイツ大使館、そして米国に本社を置くグーグルなどの企業とともに、初めて韓国のクィア文化祭に公式の支持を表明し、同文化祭に直に参加もしたことで、韓国のプロテスタント右派の精神の中には一種の不協和音が生まれた」とし「韓国の保守的な福音主義者たちは韓米同盟体制を維持することを望んでいるものの、同性愛者の人権の主な擁護者の一つである自由主義的米国に対しては対立的立場を取るようになった」と評した。
「キリスト研究院ネヘミヤ」のペ・ドンマン研究員は資料集に寄せた原稿で、「『反共、親米、親資本』という特定の理念と、これにもとづく政権の心強い支持勢力として機能し、存在してきたキリスト教徒たちが、21世紀のスタートとともに文化戦争に戦闘的に参加することで、同性愛者、難民、イスラムなどに対する憎悪と排除を助長したのは、2001年以降、相次いで出てきた光林教会、三一教会、愛の教会、明声教会のような大型教会の各種のスキャンダル、新天地や神様の教会のような異端の勃興や攻撃的な伝道、『教会に行かない信者』の急増などによって教会の勢力が急激に衰えるとともに、プロテスタントに対する社会的な非難が強まったことで、存在論的な危機意識が急激に高まったことも重要な動機だった」と指摘した。
「平和と神学」が主催するフォーラム「分裂した心と韓国教会」で発表する北韓大学院大学のキム・ソンギョン教授は「冷戦を乗り越えるためには、構造的な変化だけでなく、心の変化のための心の社会心理学が必要だ」との代案を提示する。
クリスチャンアカデミーのイ・サンチョル院長は資料集に寄せた原稿で、「キリスト教が贖罪と和解という命題を掲げながら、被害者、少数者、他者の未解決の問題を覆い隠し、見過ごしてきたこと」について問題提起した。イ院長は「性急に何かを整理したり仕上げたりして次の局面へと急いで転換しようとする焦りから脱皮しなければならない」とし「朝鮮戦争が残したトラウマは、その時、その時代の思い出として終わった過去ではなく、現在進行形の事件だからだ」と述べた。