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強制労働被害者「裁判所は速やかに三菱資産の現金化を判決せよ」

登録:2022-08-12 06:29 修正:2022-08-12 09:10
「日帝強制動員市民の会」、11日午後の記者会見で
今月11日午後、光州市議会の市民疎通室で日帝強制動員市民の会が記者会見を開き、三菱資産の特別現金化命令に関して韓国最高裁に速やかな判決を求めている/聯合ニュース

 日帝強占期(日本による植民地時代時)、強制労働を余儀なくされたにもかかわらず、賃金を受け取れなかった被害者たちが、戦犯企業の資産を現金化するための法的手続きと関連し、韓国最高裁(大法院)に速やかな判決を求めた。

 社団法人「日帝強制動員市民の会」(以下市民の会)と民主社会のための弁護士会光州(クァンジュ)全南支部は11日、光州市議会で記者会見を行い「最高裁は勤労挺身隊被害者の特別現金化命令に対する再抗告審の決定を速かに行うべきだ」と要求した。

 現在、三菱重工業の韓国内商標権2件(ヤン・クムドク)と特許権2件(キム・ソンジュ)に対する特別現金化命令(強制売却)の再抗告事件は最高裁の判断を待っている。日帝強占期当時の1944年~1945年、日本の三菱重工業で強制労働を余儀なくされたにもかかわらず、賃金を一銭も受け取れなかったヤン・クムドクさん(93)とキム・ソンジュさん(92)は、三菱重工業に対する損害賠償請求訴訟で1人当たり1億~1億5千万ウォン(約1000~1500万円)を賠償せよという最高裁の判決を勝ち取ったが、三菱側はこれまで賠償を無視してきた。これに対しヤンさんとキムさんは、三菱の韓国内商標権と特許権差し押さえ命令の決定に続き、2020年9月には商標権と特許権売却命令を引き出した。損害賠償のために商標権と特許権を現金化できるという決定だ。

2007年5月31日、名古屋高等裁判所の棄却判決後、法廷を出て泣き崩れるヤン・クムドクさんを周りが支えている様子=日帝強制動員市民の会提供//ハンギョレ新聞社

 三菱側は裁判所の決定を受け入れず控訴しており、控訴審裁判所がこれを棄却すると、4月19日に最高裁に再抗告した。最高裁が再抗告から4カ月目になる今月19日前までに審理不続行(本案の審理を行わず、棄却)の決定を下した場合、裁判所の資産売却決定の効力が発生する。

 三菱重工業は先月20日「韓国に官民協議体が構成され、代案作りが進んでおり、その結果が出るまで裁判を先送りしてほしい」という趣旨の上告理由補充書を最高裁に提出した。市民の会などは「この事件の被害者などは官民協議体の正当性を否定し、最初から参加していない。官民協議体の活動が裁判手続きに影響を及ぼしてはならない」と強調した。市民の会などは「外交部が先月26日、最高裁に事実上判決を保留してほしいという趣旨の『意見書』を提出したことで、裁判決定が遅れてはならない」と強調した。

 市民の会のイ・グゴン常任代表は「90歳を越えた高齢の被害者たちの声には徹底的に背を向け、戦犯企業を後押しした」とし、「最高裁は法と手続きに則り、同事件を速やかに決定し、外交部が提出した意見書の内容を公開すべきだ」と述べた。

チョン・デハ、キム・ヨンヒ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/area/honam/1054410.html韓国語原文入力: 2022-08-12 02:31
訳H.J

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