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大宇造船の下請け労働者、座り込み解除…「鉄の檻」開き歓声と涙

登録:2022-07-23 04:05 修正:2022-08-03 10:48
大宇造船海洋の下請け労働者の座り込み解除 
31日ぶりに外へ…担架で病院へ搬送 
見守っていた組合員たち「残念で申し訳ない…」
大宇造船海洋の下請け労使交渉が妥結した22日午後、1立方メートルの「鉄の檻」に自らを閉じ込め31日間にわたり座り込みを続けてきた造船下請け支会のユ・チェアン副支会長が、担架に載せられて出てきた=金属労組提供//ハンギョレ新聞社

 22日、大宇造船海洋の下請け労働者によるストライキが下請け企業との交渉の妥結により終わったことで、1立方メートルの「鉄の檻」を作り自らを閉じ込めていた下請け労働者のユ・チェアンさんも担架に乗せられて出てきた。シンナーと遺言状を胸に、玉浦(オクポ)造船所の第1ドックのタンカーの船倉に自らを閉じ込め、立ち上がることも、ゆっくりと寝転がることもできなくなってから31日がたっていた。鉄の檻から15メートルの高さの手すりにはしごで上り、高所座り込みを続けていた6人の下請け労働者も、ようやく地を踏んだ。健康が悪化した彼らは救急車に乗せられて病院へと向かった。この日午後6時30分ごろ、タンカーのすぐ前の高さ30メートルの水門「ドックゲート」の上に上がって仲間たちを心配していた全国金属労組の巨済(コジェ)・統営(トンヨン)・固城(コソン)造船下請け支会(造船下請け支会)の100人あまりの組合員は、ユ・チェアン副支会長と6人の組合員に向かって精一杯の声で叫んだ。「愛してるぜ」、「お疲れ様」

大宇造船海洋の下請け労使交渉が妥結した22日午後、第1ドックで占拠座り込みを行ってきた組合員たちが仲間の組合員たちに儒教式のあいさつをしている=キム・ミョンジン記者//ハンギョレ新聞社

 仲間たちが外に出てくる様子を見守っていた組合員たちの目からは、安堵と申し訳なさが入り混じった涙があふれた。組合員のLさん(52)は「これまで本当に気が重かった」と述べた。同氏は「不寝番をするためにあの下(ドック)に下りていってユ・チェアン副支会長の目を見るたびに涙が出た」と述べ、言葉をつまらせた。Sさん(59)も思いを尋ねると、「妥結した時、同志たちをあの中から出す時、その瞬間その瞬間に涙が出た」と語った。Kさん(51)は、「(仲間たちを)早く連れて出てこなければならなかったのに、できなかったのが残念で申し訳ない。みんなの体が心配だが、早いうちに元気な姿でまた会えることを願う」と話した。

 この日午後4時30分ごろ、造船下請け支会と大宇造船海洋社内協力会社協議会は、4.5%(企業平均)の賃金引き上げ▽来年から旧正月と秋夕に各50万ウォン(約5万2000円)および夏休み40万ウォン(約4万1000円)の賞与金、計140万ウォン(約14万5000円)支給▽最低1年の雇用期間保障▽多重下請けの禁止▽廃業した下請け企業の労働者の最優先雇用に努めること、などに暫定合意した。造船下請け支会は組合員総会を開き、この合意案の賛否を投票で問い、可決した。4.5%の賃上げは、スト前の今年初めに下請け企業側が引き上げるとして提案したのと同水準。しかしユ・チェアン副支会長と15メートルの高所で籠城を続けてきた6人の組合員の健康状態が悪化していたうえ、政府が公権力投入の可能性を示唆するとともに、元請け・下請けの使用者が莫大な損害賠償請求訴訟を予告したことで、造船下請け支会は30%の賃金引き上げ要求を自ら撤回した。では彼らには何が残されたのだろうか。ストに参加した50代の組合員は語った。「残念だけど、どうしようもないでしょう。私たちには力がないのだから。(初めて)団体交渉して、ハンコをついたことで満足しています」。彼は最後は涙を流した。

造船下請け支会のユ・チェアン副支会長が31日間にわたって自らを閉じ込めていた1立方メートルの「鉄の檻」=金属労組提供//ハンギョレ新聞社
ソ・ヘミ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1052061.html韓国語原文入力:2022-07-22 23:19
訳D.K

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