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尹大統領、NATO舞台に「反中路線」本格化

登録:2022-07-01 01:56 修正:2022-07-01 09:03
尹「価値同盟強化」NATO路線に同調 
アジア太平洋諸国との「中国牽制」協力にも取り組む見込み 
経済首席「中国を脱し、多角化が必要」
尹錫悦大統領が29日(現地時間)、スペインのマドリードのマンダリン・オリエンタル・リッツホテルで開かれた同胞晩餐懇談会で、激励のあいさつをしている/聯合ニュース

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領は29日(現地時間)、北大西洋条約機構(NATO)首脳会議での演説で、「自由民主主義と法治という基盤の上に設立されたNATOと、変化する国際安保環境について議論できることになり嬉しい」とし、「NATOとインド太平洋との協力関係が普遍的価値を守る連帯の礎となることを期待する」と述べた。NATOが今後10年間の目標を盛り込んだ「戦略概念」で初めて中国に直に言及しつつ「我々の利益、安保、価値に挑戦している」と糾弾したことにつながるもので、尹大統領が「反中基調」を本格化したとの観測が示されている。

 尹大統領はこの日のNATOでの演説で「新たな競争と対立の構図が形成される中で、我々が守ってきた普遍的価値が否定される動きが捉えられている」と語った。ウクライナだけでなく中国を念頭に置いて、NATOの中国牽制への積極的な同調の意思を表明したのではないかという解釈が示されている。

 特にアジア太平洋パートナーの4カ国(AP4)の首脳がこの日の会合で、今年下半期を目標として新たなインド太平洋戦略を立案し、欧州諸国と必要に応じて協議するとしたことについては、尹大統領が「中国牽制」を目的とした協力に乗り出すのではという予想も出ている。大統領室の関係者は「招待国として参加することになったアジア太平洋の韓国を含む4カ国は、新たなインド太平洋戦略を構想中」だとし「その真ん中では中国に対する苦悩と様々なジレンマが混じり合っている」と語った。ただし、この関係者は「反中路線というより、いかなる国も例外なく、ルールと法治があるならば逆らわない最小限の国際社会の基本となる協力関係を作らなければならないというコンセンサスがある」と付け加えた。

 また、「反中」と映りうるこのような姿勢は、経済分野での戦略的選択だという説明もある。チェ・サンモク経済首席は現地でのブリーフィングで「この20年間享受してきた中国を通じた輸出好況期が終わりつつあるため、市場の多角化が必要だ」とし、「『なぜ今、欧州なのか』は、我々が直面するグローバル交易環境の構造的な変化にあらかじめ備えようとの趣旨」だと語った。

マドリード/キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1049229.html韓国語原文入力:2022-06-30 21:33
訳D.K

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