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韓国型ロケット「ヌリ号」打ち上げ成功…世界7番目の宇宙強国を立証

登録:2022-06-22 02:54 修正:2022-06-22 07:10
科学技術情報通信部のイ・ジョンホ長官が公式確認 
7番目の実用衛星発射能力保有国
韓国の独自技術で開発された韓国型ロケット「ヌリ号」が21日、宇宙飛行に成功した/聯合ニュース

 純粋な韓国の技術で開発された宇宙ロケット「ヌリ号」が2度の試みの末、宇宙飛行に成功した。これで韓国は実用衛星の発射能力を保有する世界で7番目の国へと飛躍した。

 科学技術情報通信部(科技情通部)のイ・ジョンホ長官は21日午後5時10分、全羅南道高興(コフン)の羅老(ナロ)宇宙センターのプレスセンターでブリーフィングを行い、「ヌリ号が午後3時59分59.9秒に羅老宇宙センター第2発射台から発射され、15分45秒間の飛行に成功した」と発表した。イ長官は続いて「ヌリ号は打ち上げから14分35秒(875秒)後に性能検証衛星を、70秒後には衛星模写体(ダミー衛星)を700キロ上空の軌道に秒速7.5キロで投入する任務を果たした」と付け加えた。

 ヌリ号は独自開発した韓国型ロケットで、今回の打ち上げ成功は韓国が独自の宇宙輸送能力を確保したという意味がある。2013年に打ち上げに成功した羅老号は、1段ロケットのエンジンがロシアから購入したものだった。韓国は自力による発射能力保有国としては10番目、重さ1トン以上の実用級衛星の発射能力ではロシア、米国、欧州、中国、日本、インドに続き7番目の国となった。

韓国の独自技術で開発された韓国型ロケット「ヌリ号」が21日、宇宙飛行に成功した=高興/写真共同取材団//ハンギョレ新聞社

 尹錫悦(ユン・ソクヨル)大統領はこの日、ソウル龍山(ヨンサン)の大統領室内の映像会議室でヌリ号打ち上げ成功を確認した直後、研究陣と画像でつなぎ「大韓民国の地から宇宙に行く道が開かれた」と語った。尹大統領はイ・ジョンホ長官から最終的に成功したとの報告を受け、両手の親指を立てた。尹大統領は「30年間の至難な挑戦の産物だった」とし、「これからは我が大韓民国国民、そして韓国青年たちの夢と希望が宇宙へと広がっていくだろう」と述べた。そして「今後、韓国の航空宇宙産業が世界で我こそはという国へと、宇宙強国へと発展できるよう努力しよう」とし、「政府も航空宇宙庁を設置し、航空宇宙産業を体系的に支援する」と付け加えた。

 ヌリ号は当初15日に打ち上げられる予定だったものの、強風のため1日延期され、16日の打ち上げも1段酸化剤タンクのレベルセンサーの異常で再び延期された。科技情通部と韓国航空宇宙研究院(航宇研)は打ち上げ日を改めて21日と定め、前日の20日午前7時20分にヌリ号をロケット総合組立棟から第2発射台へと移し、起立作業を行った。21日には各種電気・電子機器などを点検し、燃料と酸化剤を充填した。午後3時50分に発射自動運用(PLO)に入ったヌリ号は、10分後の午後4時に打ち上げられた。

 発射から2分3秒で1段ロケットを分離したヌリ号は、3分47秒でペアリング、4分29秒で2段ロケット分離を行い、3段ロケットで高度700キロまで飛行した。打ち上げから13分後に目標軌道(665~735キロ)に到達したヌリ号は、打ち上げからおよそ14分後に性能検証衛星(重さ168キロ)を、約15分後に衛星模写体(1.3トン)を秒速7.5キロで分離して軌道に投入することで任務を完遂した。

 航宇研のイ・サンニュル院長は、「国民のみなさまの声援に感謝する。韓国は多くの発展をしたものの停滞している現在の時期に、宇宙を通じて挑戦的で大きな夢を見てくれればと思う」と語った。航宇研のコ・ジョンファン韓国型ロケット開発事業本部長は「ヌリ号で第一歩を踏み出した。宇宙に出る道が開かれ、何をするのか、後続開発をどうするのか、これからが始まりだ。(ヌリ号をきっかけとして)才能のある子どもたちが科学技術に多くの関心を持ってほしい」と話した。

高興(羅老宇宙センター)/イ・グニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/science/science_general/1047925.html?_fr=mt1韓国語原文入力:2022-06-21 17:20
訳D.K

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