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尹次期大統領「首相なしで行く」…与党の候補承認拒否に応戦

登録:2022-05-07 07:58 修正:2022-05-07 09:34
尹氏「保険福祉部長官候補について、悩まなかったわけではないが 
こんな状況なら進めるしかない」 
法務部長官候補まで承認拒否を予告され、強硬姿勢に 
民主党、「尹次期大統領が直接参戦」強く反発
尹錫悦次期大統領が6日午後、政権引き継ぎ委員会の解散式に参加するため、ソウル鍾路区通義洞にある引き継ぎ委の事務室を後にしている=引き継ぎ委員会記者団//ハンギョレ新聞社

 与党「共に民主党」は6日、ハン・ドクス首相候補やハン・ドンフン法務部長官候補ら5人の長官候補に対して「不適格」の判定を下し、自主的な辞退を要求した。しかし、尹錫悦(ユン・ソクヨル)次期大統領は、ハン・ドクス首相候補の任命同意案が国会で否決された場合、「首相なしで新政権を運営する」という意向を表明し、強硬な姿勢を明確にした。今月10日の尹錫悦政権発足を前に、双方で緊張の度合いが高まっている。

 尹次期大統領は、ソウルのある飲食店で5日に開かれた政権引き継ぎ委員会の参謀らとの晩餐で「ハン首相候補に電話をかけ、『新たに人を探す考えはない。承認されなければ(首相の席を)空けておく』と伝えた」と明かした。晩餐のある参加者が語った。共に民主党がハン氏の首相承認案を否決した場合、10日の大統領就任直後にキム・ブギョム現首相の推挙でチュ・ギョンホ経済副首相兼企画財政部長官を任命した後、「チュ・ギョンホ首相権限代行」に長官の推挙権を行使させるかたちで、当面の国政を運営するということだ。

 尹次期大統領はまた、「親の七光り」問題などで野党「国民の力」内部からも冷たい視線を受けているチョン・ホヨン保険福祉部長官候補についても、「悩まなかったわけではないが、こんな状況ならそのまま進めるしかない」と述べたという。チョン候補に対する国民的な批判を意識し、チョン候補をあきらめる案も考慮したが、共に民主党がチョン候補をはじめハン・ドンフン氏(法務部)、ウォン・ヒリョン氏(国土交通部)、イ・サンミン氏(行政安全部)、パク・ポギュン氏(文化体育観光部)ら長官候補まで承認拒否の対象に挙げ、ハン首相の承認と連携させようとしたため、尹次期大統領が強硬態勢に転じたということだ。

 晩餐のある参加者は、「(共に民主党は)ハン・ドンフン(法務部長官)候補まで持ちだして首相承認を引き延ばしている。我々が引きずられていくわけにはいかない」と述べ、「(尹次期大統領が)首相承認を引きかえにするなという強力なメッセージを送ったもの」だと説明した。引き継ぎ委のある関係者は、「4日までは、チョン候補をどのような形でいつどう辞退させるのかに悩んでいたが、昨日(5日)ムードが変わった」とし、「共に民主党は結局、ハン・ドンフン候補を辞退させなければ、チョン・ホヨン候補をはじめハン・ドクス首相候補まで承認を拒否するということだから、チョン候補を辞退させたとしても我々の得る政治的実益はない」と話した。尹次期大統領側としては、ハン首相の承認が否決されたとしても、新政権の妨害に出た民主党の無理な承認拒否攻勢のせいだと映ることで、6月1日の地方選挙でも不利にはならないとみているという話も出ている。

 尹次期大統領が「首相なしの新政権」も辞さないとして長官任命への強行姿勢を示したことについて、民主党は強い不快感を示した。首相人事聴聞特別委員会の民主党の幹事であるカン・ビョンウォン議員は、「尹次期大統領が直接参戦に出た」とし、「国民もハン・ドクス首相候補は不適格だと意見しているのに、それを覆い隠すのは、人事聴聞委員としては不快なことだ」と述べた。

 これに先立ち、同日午前、民主党のパク・ホングン院内代表は、長官候補のハン・ドンフン氏、チョン・ホヨン氏、ウォン・ヒリョン氏、イ・サンミン氏、パク・ポギュン氏は「不適格」だと明らかにした。カン・ビョンウォン議員は別の記者会見で「特別委員会の委員らは、ハン・ドクス候補が首相として不適格であると表明する」と述べた。民主党は近く議員総会を開き、首相候補の任命同意の可否を決める予定だ。

ソン・ダムン記者、ソ・ヨンジ記者、シム・ウサム記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/assembly/1041876.html韓国語原文入力:2022-05-07 01:19
訳M.S

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