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韓国大統領選挙で過去最高36.93%の期日前投票率…どの候補に有利か

登録:2022-03-07 02:06 修正:2022-03-07 08:33
野党「政権交代の熱望」、与党「両陣営結集した結果」 
専門家「期日前投票率ではどの候補に有利かは判断できない」 
第20代大統領選挙の期日前投票初日の今月4日、京畿道果川市の中央選挙管理委員会選挙総合状況室で、関係者が現況掲示板を見ている。4日から二日間にわたって行われた大統領選挙の期日前投票率は36.93%を記録した/聯合ニュース

 韓国で今月4日から2日間にわたって行われた第20代大統領選挙の期日前投票率が36.93%を記録した。2014年の地方選挙で同制度が導入されて以来、最も高い投票率だ。野党「国民の力」のユン・ソクヨル候補側はこれについて「政権交代への熱望」と解釈する一方、与党「共に民主党」のイ・ジェミョン候補側は「両陣営の支持層が結集しているという指標」だと分析した。

 中央選挙管理委員会は5日夜、有権者4419万7692人のうち1632万3602人が期日前投票に参加し、36.93%の投票率を記録したと明らかにした。2014年の地方選挙から期日前投票が全国単位の選挙に初めて導入されて以来、最も高い数値だ。これまでの最高記録は2020年に行われた国会議員選挙の26.69%だった。2017年の第19代大統領選挙(26.06%)と比べても10.87ポイント高い。このため、最終投票率が1997年の第15代大統領選挙(80.7%)以来初めて80%を超えるかどうかにも関心が集まっている。

 地域別では、全羅南道が51.45%で一番高く、全羅北道(48.63%)と光州(クァンジュ、48.27%)が上位を占めた。京畿道が33.65%で最も低く、大邱(テグ、33.91%)と仁川(インチョン、34.09%)の順で低かった。ソウルは37.23%で全国平均よりやや高かった。

 国民の力はこれについて、政権交代を望む民意を示すと共に、20~30代が結集した結果だとみている。同党のクォン・ヨンセ選挙対策委員長は6日、ソウル汝矣島(ヨイド)の国会で開かれた拡大選対委会議で、「政権交代に向けた国民の熱望と投票参加に心から感謝申し上げる」とし、「特に20~30代が全国の期日前投票所に並んだと聞いた。皆さんが期待する公正と常識の価値をユン候補とわが党は決して忘れず、胸に刻む」と述べた。ユン候補も同日、フェイスブックに「政権交代への熱望を過去最高の期日前投票率として示してくださった国民の皆さんに深く感謝する」という書き込みを残した。ただし、期日前投票の世代別投票率は公開されない。

 国民の力は、全羅道地域の高い投票率も不利ではないとみている。これまで「全羅道で得票率30%達成」を目標に指導部が全羅道に力を入れてきたからだ。選対委関係者は「どうしても与党の支持率が高い地域だが、私たちもこれまで全羅道での支持獲得に力を入れてきたため、善戦すると期待している」とし、「結果はふたを開けてみないと分からない」と述べた。伝統的な支持層の多い大邱(テグ)の期日前投票率は33.91%で、平均よりはるかに低かったが、内部では本投票の結集でこれを相殺できると予想している。国民の力所属のある議員は「選管委を信頼しない支持者が多いため、期日前投票に参加しなかった人たちが投票日に投票所に姿を現すだろう」とし、「結局圧倒的な差で当選すると思う」と述べた。

 一方、共に民主党は期日前投票率では民意を確認するのが難しいと慎重に解釈した。同党のウ・サンホ総括選対委員長は同日、ソウル汝矣島の党本部で開かれた記者懇談会で「どちらの支持層がより多く投票したのか確認できない状況で、期日前投票率で特定の候補に有利か不利かを判断するのは非科学的だと思う」とし、「両陣営の支持層が結集していることを表す指標だと思う」と述べた。全羅南道地域の高い期日前投票率についても「逆に江原道と慶尚南道地域の高い投票率はどう説明するのか」と述べた。選対委関係者も「以前は投票率が高ければ民主党が勝つという解釈が多かったが、今はそうではない」とし、「全羅道の期日前投票率が高くても、その票がすべて民主党に好意的な票だとは考えにくい。今回の選挙は開票してみなければ分からない」と語った。

 ただ、ウ委員長は現在の状況について、「終盤に最大の要因として登場した野党候補一本化に対して、かえって逆風が吹いている」とし、「女性コミュニティを中心に『それでもユン・ソクヨルはダメではないか』という反応が出るなど変化の兆しがあり、アン・チョルス候補を支持しようとした20代と30代の男性の間でも、『本当に容認できない一本化』という反応が出て、イ候補側に(支持が)移ってくる様相がみられる」と述べた。

今月5日午後、ソウル駅に設けられた期日前投票所で関係者たちが館外投票箱を開けている/聯合ニュース

 専門家たちも、期日前投票率では候補別に有利か不利かを問うことはできないと分析した。高い期日前投票率は、期日前投票が施行されて8年目になり、制度が定着しているうえ、今回の選挙で接戦が予想されており、両陣営が総結集しているために発生する現象だとみている。専門家らは全羅道地域の期日前投票率は以前の選挙でも高かったため、異例ではないと説明している。政治コンサルティング「ミン」のパク・ソンミン代表は「高い期日前投票率は両陣営が結集していることを示す程度」だとし、「ただし、最終世論調査で政権交代の世論が政権継承の世論を上回った点などから、全体的な投票率が高くなればユン候補により有利になるかもしれない。一方、全羅道とイ候補の支持率が高い40代で高い投票率が出れば、その時はイ候補に有利な結果が出るだろう」と述べた。慶煕大学フマニタスカレッジのキム・ユンチョル教授も「終盤の競争が激しくなり、二大政党候補側が投票を督励したことで、所信投票が目立っている」とし、「まだ投票していない中道層や浮動層がどちらかに絶対的に有利な構図ではないため、一方に有利な結果とみることはできない」と指摘した。

イ・ジェフン、チャン・ナレ記者、チェ・ハヤン、ペ・ジヒョン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1033727.html?_fr=mt1韓国語原文入力:2022-03-06 19:51
訳H.J

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