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イ、シム両候補「2015年の慰安婦合意は不適切」…ユン、アン両候補は回答拒否

登録:2022-02-17 02:16 修正:2022-07-19 07:40
日本軍「慰安婦」被害者支援団体による質問 
イ・ジェミョン、シム・サンジョン、オ・ジュンホ、キム・ジェヨンの各候補が回答 
4人とも「水曜デモ妨害への警察介入賛成」
16日の水曜デモで、日本軍「慰安婦」被害者支援団体ネットワークが先月25日に6つの政党の大統領候補に送った日本軍性奴隷制問題の解決策についての政策質問書の回答内容が発表されている=キム・ヘユン記者//ハンギョレ新聞社

 韓国大統領選に出馬する共に民主党のイ・ジェミョン候補と正義党のシム・サンジョン候補は、日本軍「慰安婦」問題関連団体による政策質問に対し、2015年の日本軍「慰安婦」合意は被害者中心の原則に反する不適切な合意だとの立場を明らかにした。国民の力のユン・ソクヨル候補、国民の党のアン・チョルス候補は回答を拒否した。ユン候補は、女性に関する政策についての質問に対し、回答を拒否し続けている。

 日本軍「慰安婦」被害者支援団体ネットワークは16日、先月25日に6つの政党の大統領候補に送った日本軍性奴隷制問題の解決策を問う政策質問書の回答内容を公開した。イ・ジェミョン、シム・サンジョン、基本所得党のオ・ジュンホ、進歩党のキム・ジェヨンの各候補は回答を寄せたが、国民の力のユン・ソクヨル、国民の党のアン・チョルスの両候補は回答を拒否した。同ネットワークはユン、アン両候補について「数度にわたる要請にもかかわらず回答を拒否した。深い遺憾を表明する」と述べた。

 回答を寄せた4人の候補は「2015韓日合意」について、被害者中心の原則に反する不適切な合意だったと答えた。「2015韓日合意」は、日本政府が10億円の慰労金を拠出し、韓国政府が「和解・癒やし財団」を設立することで問題を終結させようというもの。被害者の意見が排除された示談だとの批判が常について回った。

 具体的にイ候補は「10億円を日本に返還することを皮切りに、日本政府が戦争犯罪に対する責任を認め、謝罪し反省することを前提として『2015韓日合意』を補完し、法的効力を持つ『合意文』を採択する」と答えた。シム候補は「被害者の同意も得られない中途半端な関係改善の推進は望ましくない」とし「日本政府が責任を明確にし、公式に謝罪するなら、金銭的補償については柔軟さを発揮しうる」と答えた。

 回答を寄せた4人の候補は、水曜デモを妨害する集団に対する警察の積極的介入を勧告した国家人権委員会による1月17日の緊急救済決定に賛成の立場を示した。自由連帯などの極右系諸団体は、2020年5月から、それまで水曜デモが行われてきた鍾路区(チョンノグ)の旧在韓日本大使館前の平和の少女像周辺での集会申請を事前にするというやり方で水曜デモを妨害している。イ候補は「(人権委の決定は)当然の決定であり、勧告を履行する実効的措置が取られるべきだ」と答えた。残りの3人の候補は、水曜デモを保障するために行政府による法規の制定も必要だと主張した。シム候補は「(行政府による法規の)制定が妥当かどうかは慎重に考慮しなければならないが、参加者に対する名誉毀損と侮辱行為は集会の自由の保障と衝突するため、関連法の改正に努める」と述べた。

 日本軍性奴隷制問題の真相究明については、4候補いずれも強い意志を示した。歴史を否定する動きの再発防止のための教育、被害者に対する侮辱の防止策も明らかにした。4人の候補はいずれも、財団の設立を通じて真相究明および研究、教育を行うとする青写真を示した。イ候補は国際的地位を持つ「アジア女性人権平和財団」を、シム候補は「戦時人権平和財団」を、オ候補とキム候補は「女性人権平和財団」を設立すると述べた。また4候補はヘイトスピーチなどの憎悪犯罪(ヘイトクライム)の規制に向けた法の制定や改正に共感を示した。ただしイ候補は「ヘイトスピーチなどの憎悪犯罪の規制に向けた法の制定や改正は、表現の自由を萎縮させる恐れもあるため、対話の場を設け、国民的同意にもとづいた法制定に努める」と述べた。

 正義記憶連帯のイ・ナヨン理事長は16日に行われた第1531回水曜デモで「特にある候補は、複数回にわたり連絡し、期限も延長して待っていたにもかかわらず、ついに一言もなかった」とし「問題解決の妨害勢力に問題解決に向けて考えることを要請したこと自体が、そもそも無理だったと思う」と述べた。

コ・ビョンチャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/society_general/1031300.html韓国語原文入力:2022-02-16 11:44
訳D.K

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