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韓国、感染者が一日で3万人急増…9万人を超えたが、政府は防疫措置の緩和を検討

登録:2022-02-16 09:34 修正:2022-02-16 15:36
新規感染者、一日9万人台 
政府、18日に距離措置調整案を発表予定 
「重症患者数は増えておらず、距離措置緩和は可能とみる 
自営業の切迫さを考えざるを得ない」 
 
「私的な集まり8人まで・午後10時まで営業」が有力だが 
人数制限廃止、深夜営業なども検討
今月14日午後、慶尚南道昌原市城山区中央洞に設けられた新型コロナ選別診療所で、市民らが迅速抗原検査の結果を待っている/聯合ニュース

 韓国で新型コロナウイルスのオミクロン変異株の拡散により、新規感染者数が9万人台に急増した。中央防疫対策本部(防対本)は16日午前0時現在、新規感染者が9万443人確認されたと明らかにした。韓国で新型コロナ流入以降、初めて9万人台に達した。そのような中、防疫当局は18日ごろから防疫を緩和する社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)調停案を発表する予定だ。

 政府は現行の「私的な集まり6人まで・営業時間午後9時まで」を基準としている飲食店・カフェなどの営業制限を緩和しつつ、「防疫パス」(接種証明・陰性確認制)は当分維持する案について検討している。政府は17日の日常回復支援委員会での議論を経て、18日午前に中央災害安全対策本部会議で調整案を確定し、同日中に発表する予定だ。

 15日の本紙の取材を総合すると、政府は20日の現行の社会的距離措置の終了を控え、「営業時間午後10時まで、私的な集まり8人までの案」を検討しつつ、私的な会合の人数制限をなくしたり、営業時間を午前0時までに延長する案も検討しているという。政府関係者は「外国の場合、感染者数が大幅に増え、2週間後には重症患者数もともに増える傾向を示したが、韓国は重症患者が増えていない」とし、「距離措置の緩和は可能だとみている」と述べた。韓国国内でオミクロン検出率が初めて50%を超え「優勢種」となった先月24日、重症患者は392人だったが、この数値は減少を続け、200人台を維持してきた。しかし最近感染者が増え、14日から重症患者は再び300人台に上っている。

 感染者の急増を受け重症患者数の指標は高まったものの、政府はこれ以上強力な距離措置は維持できないという立場だ。実際、キム・ブギョム首相は距離措置緩和の可能性を示唆し続けてきた。キム首相は14日、「韓国放送(KBS)」の「緊急診断」に出演し、「政府はこれまで7週間以上苦痛を強いてきた小規模事業者・自営業者の絶叫に応える義務があり、庶民経済の切迫さを考えないわけにはいかない」とし、「専門家と小規模事業者たちの間できちんと判断する」と言及した。

 急激な距離措置緩和が感染者の激増につながるだろうという懸念は、政府内でも出ている。チョン・ウンギョン疾病管理庁長は、キム首相と同じ番組に出演し、ピークを過ぎてから防疫を緩和するのが安定的だと言及している。チョン長官は「ピークを過ぎ、重症化に移る2週間が過ぎてからが最も安定的だと思う」とし、「しかし、防疫ばかりを考えるわけにいかない部分があり、総合的に判断して決定する」と明らかにした。嘉泉大学吉病院のオム・ジュンシク教授(感染内科)も「(今の防疫を緩和した場合)予定より拡散のスピードが速くなり、一定時点でのピークが非常に高くなる可能性がある。感染者が我々の予想よりもはるかに多く発生する可能性がある」とし、「短期間に感染者が増えれば、重症患者が爆発して医療システムが持ちこたえられなくなる。あまりに一括で全面的な緩和が行われれば、3月は本当に厳しくなるだろう」と述べた。防疫当局は、今月末ごろに1日最大13万~17万人の感染者が発生する可能性があると予測していた。

 これに先立ち、政府は疫学調査に重点を置かない防疫体系に転換したことで、出入者確認を目的としたQRコード・安心コールの使用を中止する予定だと明らかにしていた。これとは別に、防疫パスは維持される可能性が高いものとみられる。政府関係者は「新型コロナワクチンの未接種者のほうが接種者よりも感染確率が高いため、防疫パスで未接種者の感染確率を下げることができると考える」と述べた。ただし、中央事故収拾本部のソン・ヨンレ社会戦略班長は「全体的な防疫システムの改編と現在の流行状況を見つつ、(防疫パスを)部分的に調整する必要があるかどうか続けて検討する予定だ」と述べ、防疫パスの一部緩和の可能性は残した。

 政府は医療システムの余力や重症患者の規模などを基準に最終決定した後、18日に距離措置調整案を発表する。ソン班長は「さらに多くの意見を聞きながら、金曜日を目標に決定する」と述べた。

 オミクロン株が広がり、国内のコロナ感染者が6日連続で5万人台となった中、中央防疫対策本部が集計した15日午前0時現在のコロナ重症患者は314人で、前日(306人)より8人増えた。重症患者は先月29日以降200人台を示していたが、最近小幅ながら上昇している。前日午後5時現在の病床稼働率は26.8%で余力はあるものの、6日の16.9%に比べれば増加している。

パク・ジュニョン、イム・ジェヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1031225.html韓国語原文入力:2022-02-15 23:14
訳C.M

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