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韓国のマンション崩壊事故、施工会社が「不正」生コン業者からまた納品

登録:2022-01-20 09:10 修正:2022-01-20 10:13
リベート不正の前歴をもつ東洋レミコンと契約 
光州の他のマンションの新築工事で 
「生コンの品質、見逃してほしい」金品授受の疑惑 
一審で有罪判決受けた業者をまた選定 
警察、低品質生コン疑惑で家宅捜索
雇用労働部と警察が19日午後、光州市西区の花亭アイパーク崩壊事故と関連しソウル龍山区の現代産業開発本社を家宅捜索している/聯合ニュース

 光州市花亭洞(クァンジュシ・ファジョンドン)のマンション外壁崩壊事故の原因の一つとして、質の悪い生コンクリートが使用された疑惑が提起されている中、HDC現代産業開発が、かつて現場所長などに違法リベートを提供して処罰を受けた前歴のある生コン業者を再び納品業者に選定していたことが確認された。崩壊事故の原因を捜査している警察はこれに先立ち、下請けの生コン業者10社を家宅捜索したが、その会社も家宅捜索の対象に含まれていた。

 19日までの本紙の取材を総合すると、東洋レミコン光州工場の営業管理者A氏は、2015年2月に光州鶴洞(ハクトン)の無等山アイパークマンションの工事現場に生コンを納品する際、「当社の割り当て量を便利な工程に割り当ててほしい。納品する生コン1立法メートル当たり1500ウォン(約155円)のリベートを提供する」と依頼した後、現場管理資材担当者などに1700万ウォン(約163万円)を渡した。A氏はこのような方法で、2013年から2017年にかけて光州の10カ所のマンション工事現場の担当者に「生コンの品質に異常があっても、全部の車を戻さないでほしい」と頼み、2億8700万ウォン(約2750万円)のリベートを渡した。その後、2019年1月に懲役1年の実刑を言い渡され、控訴審で懲役10カ月の判決を受けた。A氏とともにリベートに関与していた営業社員3人も罰金刑とされた。特にリベート供与を主導した東洋レミコン光州工場の営業管理者のA氏は、別の会社に勤務していた際にも「生コンの品質検査を厳しくせず、品質テストの回数も増やさないでほしい」と、工事現場の担当者に要請していたことが裁判の過程で明らかになった。

 A氏らは裁判の過程で「質の劣る生コンを製造しても建設現場で使われる可能性は低い」とし、質の悪い生コンは安全問題につながらないという主張を行ってもいる。これに対し、光州地裁刑事6単独のファン・ソンウク判事は、「低品質の生コンが実際に現場で使われる可能性は低いと一部の被告が主張しているが、三豊デパートや聖水大橋の崩壊事故など、甚大な人命被害を経験したことを考えれば、構造物の安全に直結する施工に便法は一切認められてはならない」と判決を下した。

 問題は、現代産業開発が2019年1月の裁判所の判決によって東洋レミコン光州工場のリベートの前歴を知っていたにも関わらず、4カ月後の2019年5月に当業者を花亭アイパークの生コン納入業者に再び選定していたことだ。2019年の裁判では、リベートを受け取った鶴洞の無等山アイパークの現場資材担当者H氏も、懲役10カ月・執行猶予2年を言い渡されている。

 さらに、2013年にはイルソンレミコンが東洋レミコンの「光州工場」を買収しているが、イルソンレミコンは2017年に品の悪い生コンを納品して摘発されている。当時、イルソンレミコンは利益を増やすためセメントを少なめに入れた低品質の生コンを作って納入した後、基準に合った生コンを納入したかのように書類を捏造したことが摘発され、代表取締役などが実刑を言い渡されている。

 警察は生コン業者の各階の生コンのサンプルを確保し、配合比率などに問題がなかったか調べている。現代産業開発は「現在捜査中なので具体的な事実は確認できない」と語った。

シン・ダウン、キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/labor/1028069.html韓国語原文入力:2022-01-20 07:51
訳C.M

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