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韓国の新築マンション崩壊事故、HDC現代産業開発の会長が辞任

登録:2022-01-18 01:23 修正:2022-01-18 07:14
「被害者家族と国民に謝罪… 
安全診断で問題があれば 
契約解除や撤去後再施工も考慮」 
 
マンション対策委「責任回避するな」 
前提条件を付けた収拾策にも反発
HDC現代産業開発のチョン・モンギュ会長が17日、ソウル龍山社屋内の大会議室で、光州のマンション外壁崩壊事故について国民に謝罪している。この日、チョン会長は辞任の意向を明らかにした=共同取材写真//ハンギョレ新聞社

 HDCグループのチョン・モンギュ会長は、光州西区(クァンジュ・ソグ)の花亭(ファジョン)アイパーク崩壊事故の責任を取って現代産業開発の会長職を退く意向を明らかにした。また事故の収拾策については、事故の起きたマンションの完全撤去や再施工の可能性も念頭に置いていると明かした。この日の発表は、事故収拾の遅れで悪化している世論を沈静化させたいとの意図がにじみ出ているうえ、再施工などは安全診断の結果次第という条件付き対策のため、事態収拾と信頼回復のための措置としては不十分ではないかとの指摘が出ている。

 チョン会長は17日午前、ソウルの龍山(ヨンサン)社屋で記者会見を開き、まず「光州事故の被害者家族と国民の皆さまに深くお詫びする」と謝罪した。チョン会長は、花亭アイパーク崩壊現場の対策については「光州市などの政府機関と力を合わせて行方不明となった方の救助に総力を傾ける」とし「構造安全点検で問題があるとの結果が出れば、分譲を受けた方の契約の解除はもちろん、完全撤去や再施工も考慮する」と述べた。これは、安全点検の結果次第では崩壊事故が発生した201棟だけでなく、団地全体を撤去したうえで再施工することまで含まれる、というのが同社の説明だ。

 チョン会長はまた「今回の事故の被害者の家族に被害補償を行うのはもちろん、入居予定者の方々と利害関係者の方々にも被害がないよう最善を尽くす」とし「ランドマークとなる良いマンションを作りたい」と説明した。また信頼回復策の一つとして、住民が一生安心して暮らせるよう、安全品質保証を大幅に強化し、現代産業開発のすべての躯体などの構造安全保証期間を30年に延ばすと約束した。現在の法定保証期間は10年で、これを3倍に拡大するということだ。

 チョン会長は、今回の事故に対する責任を取って現代産業開発の会長職から退くとも語った。チョン会長は、2018年にグループを持株会社体制に転換した際に現代産業開発の代表取締役を退いたが、会長職は維持していた。ただし同氏は「大株主としての責任を果たす」と述べ、持株会社のHDCの会長職は維持する意向をほのめかした。グループ会長として今回の事故の収拾と被害補償に最善を尽くすという意味だ、というのが同社の説明だ。

 チョン会長のこの日の発表にもかかわらず、事故6日目のこの日も崩壊したコンクリートの残骸の中にいると推定される行方不明者の救助が遅れているなど、事故収拾と被害補償までの道のりは遠いとの指摘が出ている。光州花亭アイパーク被害者対策委員会はこの日、チョン会長の辞任表明直後に記者会見を開き、「謝罪には関心がない。チョン会長は責任を回避して退くのではなく、実質的な事態解決の総括責任を取るとともに、当然の処罰を受けよ」と主張した。対策委は、救助・捜索作業から加害者である現代産業開発を排除すべきだとの意見も表明した。対策委は「救助作業に必要な人員、機器、予算の投入を現代産業開発はためらっており非協力的なだけに、救助作戦から現代産業開発を排除し、政府レベルで専門家タスクフォースを設置すべきだ」と語った。

 花亭アイパーク予備入居者代表会議もこの日、事故現場近くで記者会見を開き「チョン会長の心のこもっていない謝罪と無責任な辞任に反対する」とし「会長として行方不明者の救助に責任を取り、遺族、被害者家族に対する謝罪と補償を行うべき」と指摘した。また「安全診断の結果次第という前提条件は付けるべきではなく、花亭アイパーク第1団地、第2団地は全体を撤去したうえで建て直すべきだ」と述べた。

 新築工事中の11日に起こった崩壊事故で下請け労働者1人が死亡し、5人が行方不明になっている光州花亭アイパーク(2団地、705世帯)は、11月の入居を目標に工事が進められていた。事故当時の工程率は60%ほどだった。

チェ・ジョンフン、キム・ヨンヒ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/economy/property/1027689.html韓国語原文入力:2022-01-17 18:28
訳D.K

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