23日、韓国で初めて一日100人を超える新型コロナウイルス感染症による死亡者が出た。昨年、新型コロナの感染拡大が始まって以来最も多い。韓国の防疫当局は、感染拡大が多少収まっていると分析しながらも、重症者や死亡者が減少するには1週間程度の時間がかかると予想した。
中央防疫対策本部(防対本)は23日0時現在、全国の新型コロナの新規感染者は6919人と発表した。前日(7456人)より537人減少し、先週木曜日(7622人)より703人減少した。しかし、重症患者は1083人で前日(1063人)より20人増えており、死亡者も109人だったことが分かった。重症患者と死亡者ともに過去最多だった。重症患者は20日に997人が発生して以来、増え続けている。
防疫当局は、新規感染者が減少に転じたと判断するのは難しいが、感染拡大がやや沈静化したのは確かだと分析した。中央事故収拾本部(中収本)のソン・ヨンレ社会戦略班長は同日午前のブリーフィングで、「追加接種率(ブースターショット)上昇の影響に加え、今月6日から強化した防疫措置の効果が現れたものとみられる。ただし、先週末から強化された社会的距離措置(ソーシャル・ディスタンシング)の効果が本格化したとはみていない」とし、「60歳以上の患者が減っており、1週間後からは重症患者や死亡者数の変化につながるだろう」と見通した。防対本の資料によると、同日基準で60歳以上の新規感染者は全体の25.5%で、1週間前の16日(29.4%)より4ポイント近く減少した。防疫当局は、高齢人口のワクチン接種率が高くなったことで、新規感染者が減少し、医療対応能力もやや改善されるだろうと説明した。
新型コロナ予防接種対応推進団は同日午後のブリーフィングで、「60歳以上の人口のうち64.9%が追加接種を完了し、12月末までに追加接種対象者のうち60歳以上は86%、他の年齢層も67%が予約を終え、追加接種率が高くなると予想される」とし、60歳以上が最近の重症患者の85%、死亡者の94%を占めており、高齢者は必ず年内に追加接種を受けてほしいと呼び掛けた。新型コロナ死亡者のうち、未接種者が占める割合は依然として高い。同日の死亡者109人のうち、ワクチン未接種者は61人、1回目の接種者は4人、2回目の接種者は37人、3回目の接種者は7人と把握された。
感染拡大の勢いが多少衰えたとはいえ、依然として全国の新型コロナ専門重症患者病床の稼動率は75%を上回っており、政府は病状確保のために引き続き総力を挙げている。
中収本は20日、42の医療機関の新型コロナ重症者病床の患者のうち、在院日数が20日を超えた患者210人に隔離病床から転院と転室命令を下し、71人が病床を移して、18人が近く病床を移す予定だと発表した。63人は隔離病床で治療する必要があるという医療陣と家族の主張に基づき、在院適正性評価を受けている。新型コロナ重症患者の病床が不足していることを受け、政府は17日ごろ「症状発現後20日」が過ぎた重症患者には感染力がないとみて、一般病床に移って治療する指針を医療現場に伝えた。行き場のない患者を病床から追い出しているとの指摘があることに対し、中収本は「感染の可能性が低いため、新型コロナ専門集中治療室から一般集中治療室や他の病床に移す一種の『隔離解除』であり、治療中止ではない」とし、「在院適正性評価などで新型コロナ感染の危険が著しくないと判断されれば転院と転室を行うということであり、一律に在院20日基準を適用するわけではない」と説明した。
さらに、ユ・ウンヘ副首相兼教育部長官やクォン・ドクチョル保健福祉部長官、国立大病院長10人は同日、ソウル中区(チュング)の韓国奨学財団ソウル事務所で懇談会を開き、各国立大学病院が現在運営している重症患者の病床485床のほか、追加で350床を来年1月中旬までに確保することにした。来年1月までに重症患者病床1500床を含む入院病床7000床を追加確保すると22日に発表した「日常回復(ウィズコロナ)危機克服のための病床拡充計画」による措置だ。教育部が公開した追加確保計画によると、ソウル大学病院94床、慶北大学病院56床、釜山大学病院56床、忠南大学病院37床、全北大学病院32床など、重症患者の治療病床350床が追加で新型コロナ治療に動員される。