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「極貧で学のない人は自由の何たるかも分からない」野党のユン大統領候補が発言

登録:2021-12-23 01:53 修正:2022-05-24 07:25
国民の力の大統領候補ユン・ソクヨル氏が22日午後、全羅北道全州市徳津区の全北大学で、学生たちとタウンホールミーティングを行っている/聯合ニュース

 国民の力の大統領候補ユン・ソクヨル氏は22日、「極貧の生活をし、学のない人は、自由の何たるかが分からないだけでなく、自由がなぜ個人にとって必要なのか、必要性そのものを感じることができない」と述べた。政界からは、低所得・低学歴階層を蔑視する「妄言」だとの批判が噴出した。

 ユン候補はこの日午後、全羅北道全州市徳津区(チョンジュシ・トクチング)の全北大学で開かれた大学生との「タウンホールミーティング」で、「一定水準の教育と基本的な経済力があってこそ、自由とは何なのかが分かり、なぜ自由が必要なのかが分かるようになる」とし、このように述べた。これは、ある学生による「99が異なっていても政権交代という1つさえ同じなら、共に歩めるとおっしゃった。差別禁止法や(テレグラム性犯罪)n番部屋防止法などの制定を主張する、自由を侵害する人とも共闘できるという意味か」との問いに答えたものだった。ユン候補は「自由というものは我々が連帯して守らなければならないものであって、自由の本質は一定水準の教育と基本的な経済力があってこそ存在する」と述べ、「共同体で貧しい人々を助け、社会で産出された生産物が市場を通じて分配される。私はかなりの規模の税を取り立て、恵まれない人と分かち合って、教育と経済(基盤)の基礎を作ることこそ、自由の必須条件だと思う」と付け加えた。

 自由民主主義の価値のために共同体は連帯すべきだということを強調することを意図したもののようだが、これを説明するために所得と教育水準の低い人々を蔑視したのだ。

 共に民主党選対委のキム・ウヨン報道担当はこの日のブリーフィングで、「貧しくて学がなければ自由な人間にはなれず、自由になりたいとも思わないということか。驚きを超え、このような発言をした大統領候補が果たしていたのかと思う」と批判した。同氏は「国民を貧富で分け、学歴で分けて差別的に見つめるユン・ソクヨル候補の認識は、あまりにも衝撃的だ」とし「こうした認識を持っているほどだから、国民を無視する『犬謝罪』や、妻の問題についての『こじつけ謝罪』がなされたのだ」と主張した。正義党選対委のオ・ヒョンジュ報道担当も書面ブリーフィングで「憲法12条から22条までにおいて保障されている自由権は最も古い基本権で、天賦人権と呼ばれる権利」とし「何かを言うために常に一部の国民をけなす姿勢からは、ユン候補の薄っぺらな認識が確認できるに過ぎない」と指摘した。

 ユン候補は「蔑視発言」に対する批判が激しくなったことから、記者団に対して「そのような方たちを見下したのではなく、むしろそのような方たちを助けなければならないと述べたのだ」とし「生きるうえで食事の心配をしなければならず、暮らしが大変なら、そんなこと(自由)は感じることができないということ」と釈明した。そして「誰もが共に自由を感じられるようにするためには、そのような方たち(極貧層)により良い経済環境を保障し、教育を受けられるようにして、もっと自由の大切さを感じさせなければならない」とし「すべての国民が自由人になるべきであって、十分に学べて豊かな人だけが自由人になるべきではない、という趣旨だった」と主張した。

 一方、ユン候補はこの日、全北大学に到着し、5・18民主化運動の犠牲者であるイ・セジョン烈士の追悼碑に献花しようとしたが、「全斗煥(チョン・ドゥファン)擁護」発言を批判する市民の抗議に阻まれたため、標示石に献花してきびすを返した。現場では5・18拘束負傷者会全羅北道支部、全州大学5・18民主同志会、全羅北道地域大学民主同窓会協議会の会員が10人あまりで「全斗煥による虐殺を擁護するユン・ソクヨル、5・18英霊は拒否する」などと記されたプラカードを掲げて抗議した。ユン候補は選挙対策委員会の参謀たちの助けで標示石の前まで接近し、1輪の白い菊の花をイ・セジョン烈士の標示石の前に置いて黙祷し、その場を離れた。

全州/キム・ヘジョン、キム・ミナ記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/1024372.html韓国語原文入力:2021-12-22 16:29
訳D.K

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