野党「国民の力」選挙対策委員会のキム・ジョンイン総括選対委員長は、ユン・ソクヨル大統領候補が提案した「大統領府縮小」案について「良いシグナル」だとし、「不幸な大統領の歴史を再び繰り返さないために、制度を変える必要がある」と強調した。「実質的に政治が発展すれば内閣制の方がはるかに効率的に動けると思う」とし、「これくらいの(政治)レベルなら内閣制を実施してうまくいかない理由はない」とも述べた。キム委員長は17日、ソウル永登浦区(ヨンドゥンポグ)の国民の力党本部で本紙のインタビューに応じ、「失敗しない大統領」の条件などをテーマに1時間ほど語った。
-権力構造再編に対する考えは依然としてあるか。
「不幸なことに、成功した大統領はほとんどいない。(例えとして)車に故障があって何度も問題が起きるのに運転手だけ変えても意味がない。韓国はこの73年間、大統領制だけを経験してきたが、大統領として不幸でなかった人は一人もいない。憲法上与えられた権限だと考えて行使しすぎたために、大統領府が強くなりすぎ、結局大統領がみな不幸にならざるを得ない事故があったので、この制度は根本的に変化をもたらさねばならないと考えている」
-そのような考えをユン候補と話し合ったことはあるか。
「具体的な話はしたことがないが、これから機会があれば(する)。ユン候補も十分認識したと思う。本人が検察総長を務め、大統領府がどんな状況で検察総長の業務遂行を妨害するのかをすべて見たではないか。自ら体験したから、大統領の権限を節制することを考えざるを得ないと思う。今後を見守らなければならないが、少なくとも大統領に当選して就任することになれば、昔のような考え方は捨てるだろう。人の失敗を見たのにまた失敗しようとするはずがない」
-ユン候補が当選しても「与小野大」となる局面だ。民主党の協力が必要だが、ユン候補は消極的だ。
「ユン候補はそれについて明確な態度を示していないが、状況に直面すれば民主党と政局構成について事前協議をしないわけにはいかない」
-政権交代の可能性はどの程度とみるか。
「現政権の維持よりはるかに高いと思う。今年4月のソウル市長補欠選挙の票の傾向は変わっていないとみている。私が行動するのは勝利への確信があるときだ」
-ユン候補の支持率は下降をたどっており、一部の世論調査では順位が変わりもした。
「まだ2カ月半ほど時間があるから、その間に投票心理はかなり変わり得る。コロナの状況が少なからず選挙に影響を及ぼすだろう」
-ユン候補は26年間検事として働いた。硬直していて独善的だという懸念が付きまとう。
「これまで体験したところによれば、ユン候補は一度も政治をしていないため、むしろ大きな長所を持っている。昔の思考に執着しない人々の新たな決断が必要だが、そのような点でユン候補が最も相応しい人だと思う」
-(キム選対委員長は)2012年の朴槿恵候補をサポートしたが決別した。今回は違うか。
「誰かをサポートするだけで、その人が大統領になってからのポストは考えてはいない。当時、朴大統領に対してもそうだった。ここでサポートするのは、大統領になれば重要なポストに就けると思ってのことではないので、そんなことを少しも考える必要はない。今も同じだ。あの時より10歳も年を取ったし、ユン候補が大統領になってもその下のポストにつくことは全く考えていない。関心がない。今回もやらないつもりだったが、周りの圧力があまりにも強くてやらざるを得なくなったのだから」
-ユン候補の妻の「キム・ゴンヒ氏リスク」が続いているが。
「ユン候補が率直に謝罪したので、国民はある程度信頼すると思う」
-キム氏の登板はいつ頃になると予想するか。
「それはユン候補自身が判断することだ。配偶者が一緒に出て(選挙活動に)動かなければならないと言う人もいるが、必ずしもその必要はない。1987年の初の直接選挙制の時、盧泰愚(ノ・テウ)候補の夫人は公に表に出たことはない。最近は、(与党の)イ・ジェミョン候補が妻を連れて(選挙運動を)しているが、大きな効果があると思っているのかわからない。すべての人がそうすべきだと思う必要はないと考える」
-第3地帯との一本化の話が最後まで出てきそうだが。
「それは国民の判断次第だ。(ユン・ソクヨル、イ・ジェミョンの)両候補が圧倒的な先頭に立っており、残りは名前が書かれているだけで国民が受け入れていない人なので、合理的な人ならご自身でどうすべきか判断するだろう」
-国民の党のアン・チョルス候補と「新しい波」のキム・ドンヨン候補をどう判断するか。
「アン候補は2012年にすでに終わった。キム候補はもう少し早くスタートしていたら可能性が全くなくはなかっただろうが、残り5カ月で始めたため、なかなか進まないのは仕方ないだろう」