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金日成主席の弟、金英柱氏が101歳で死去

登録:2021-12-16 02:06 修正:2021-12-16 07:10
15日付「労働新聞」が1面で報道
北朝鮮の金日成主席の弟、金英柱元最高人民会議常任委員会名誉副委員長/朝鮮中央通信・聯合ニュース

 北朝鮮の金日成(キム・イルソン)主席の実弟、金英柱(キム・ヨンジュ、101)元最高人民会議常任委員会名誉副委員長が死去したことが確認された。

 「労働新聞」は15日、「金正恩(キム・ジョンウン)同志は、金日成勲章、金正日(キム・ジョンイル)勲章の受勲者であり、共和国の英雄である元最高人民会議常任委員会名誉副委員長の金英柱同志の逝去に深い哀悼の意を表し、花輪を送られた」と1面で報道した。続いて「金英柱同志は、党と国家の重要職責で長きにわたって事業を行い、党の路線と方針を貫徹するために献身的に闘い、社会主義建設を力強く推進し、我々式の国家社会制度の強固な発展に貢献した」と伝えた。労働新聞は、金正恩国務委員長が14日に葬儀場に花輪を送ったと伝えた。

 1920年生まれの金英柱氏は、1960年から13年間にわたって北朝鮮権力の核心とされる労働党の組織指導部長を務めた。南北関係史においては、最初の当局間会談を経て、南側のイ・フラク中央情報部長とともに1972年の7・4南北共同声明に署名している。その後、声明履行のために設置された南北調節委員会の共同委員会の北側委員長を務めた。しかし、1960年代末から本格化したとされる甥の金正日国防委員長との権力闘争で敗北し、初の共同委員長会議(10月12日)にも出席できなかった。当時、金英柱氏は「左傾盲動主義者」という攻撃を受けていたうえ、健康問題も原因となった。金英柱氏は結局、1973年9月に組織指導部長を解任され、その座には金主席の後継者である金正日国防委員長がついた。金英柱氏はその後、政務院副首相という肩書きを持つことになるが、権力とは距離のある生活を送った。金日成主席が死去する直前の1993年には国家副主席と政治局委員に選出されたが、やはり実権はなかったとされている。

 北韓大学院大学のヤン・ムジン教授は「白頭(ペクトゥ)血統で国家副主席まで務めた金英柱の死に国家葬儀委員会が設けられなかったのは異例のこと。現職ではないという面と、コロナ政局を考慮して簡素に葬儀を行ったという面があるとみられる」と述べた。

キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/politics/defense/1023359.html韓国語原文入力:2021-12-15 08:57
訳D.K

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