仁川(インチョン)に続き全羅北道で発生した新型コロナウイルスのオミクロン株への感染者から連なる「n次感染」がさらに確認された。地域社会でオミクロン株への集団感染が拡散しているとみられる。
中央防疫対策本部(防対本)が12日に発表した資料によると、12日午前0時現在、韓国国内で過去24時間以内に新たに確認されたオミクロン株への感染者は15人(国内11人、海外からの流入4人)で、感染者は累計で90人となった。今回の感染は、今月10日にオミクロン株への感染が確認された全羅北道完州(ワンジュ)の外国人留学生Aさん関連の追加感染だ。この日確認された、国内で感染した11人のオミクロン株新規感染者のうち、7人がAさん関連の感染例だ。
全羅北道と防対本の説明を総合すると、先月25日にイランから入国したアフガニスタン国籍のAさんは、入国時には陰性だったが、今月5日の自己隔離解除前の検査でコロナ感染が確認された。全羅北道では、今月10日にAさんのオミクロン株への感染が確認された後、Aさんが完州で自己隔離生活を送っていた実兄の自宅の実兄、兄嫁、甥の3人、甥が通う保育園の1人が12日に相次いでオミクロン株感染の確定判定を受けた。
全羅南道では、完州の感染者を起点に咸平(ハムピョン)の保育園の園児2人と保育士1人の計3人が、オミクロン株への感染が確認された。全羅北道完州の家族-完州の保育園-ソウルでの家族の会合-全羅南道咸平の住民-咸平の保育園とつながる連鎖感染だ。
防対本によると、12日午前0時現在でオミクロン株への感染の疑われる例はさらに32件あり、このうち31件はAさんの家族に関連するもの。しかし全羅北道は同日午後、Aさんとその家族との接触を通じてコロナに感染した29人がオミクロン株に感染しているかどうかを確認するために精密検査を進めており、感染者と接触した106人に対して自己隔離措置を取るとともに、疫学調査を行っていると明らかにした。全羅南道もこの日午後、15人についてオミクロン感染調査が進められていると発表したため、全羅南道と全羅北道においてオミクロン株への感染の疑いがある人は44人にのぼる。従って、Aさん関連の全羅道地域の集団感染の規模もさらに膨らむ見通しだ。
オミクロン株感染が新たに確認された15人のうち、残りの4人は海外からの流入組。内訳はコンゴ民主共和国からが2人、英国とロシアがそれぞれ1人。オミクロン株と疫学的関係があり感染が疑われるとして、この日追加された32件(現在まで計33件)の事例のうち、全羅北道のAさん関連の31件以外の残りの1人は、仁川市弥鄒忽区(ミチュホルグ)の教会関連の感染者。
一方、この日午前0時現在、新たに確認されたコロナ感染者は6689人で、11日(6977人)に続き2日連続で6000人台となっているが、週末であることを考慮すれば、まだ7000人を超えるような拡散の勢いが弱まったとは言い難い状況だ。この日の死者は43人、重症患者は前日より38人増えた。