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韓国、病床待機者1258人…コロナ病床あっても医療人材なし

登録:2021-12-11 03:15 修正:2021-12-11 07:34
病床空き待ち患者1258人…在宅治療者2万458人で「最多」 
政府、「コロナ病床1899床追加確保」行政命令を発表 
「病床動員行政命令出しても患者受け入れる病床なければ無意味」
9日午後、ソウル広津区のヘミン病院の陰圧病棟で、医療陣が忙しそうに患者のケアをしている。同病院は1日にコロナ拠点専門病院に追加指定され、すべての病床がコロナ患者の治療に使用される計画だ/聯合ニュース

 段階的日常回復(ウィズコロナ)の開始以降の新型コロナウイルス感染者の急増により病床稼動率が高まったことで、自宅で1日以上病床の空きを待っている患者の数も急速に増えている。保健医療システムが限界に達しているため、病床稼働率をこれ以上高めることはできないという指摘が出ている。

 10日の中央防疫対策本部(防対本)の発表によると、この日午前0時現在で、入院する病床が見つからずに1日以上病床の空きを待っている患者の数は1258人。このうち3日待っている患者は80人で、4日以上待機している患者も285人にのぼる。待機患者のうち70歳以上の高齢患者は503人で、高血圧、糖尿病などの基礎疾患がある患者も755人。これらの感染脆弱階層は、速やかに入院診療を受けなければ重症化する可能性が高い。

 政府が行政命令などによって病床確保に努めているにもかかわらず、病床待機者数は急速に増えている。10月末までは病床の空きを待つコロナ感染者はいなかったが、11月に段階的日常回復が始まってから急激に増え、先月26日には1310人の待機者が発生した。その後の病床拡充により、今月4日ごろには800人台にまで減少したものの、抑えきれないコロナ拡散により、病床待機者は再び1258人にまで増えた。同時に、コロナと診断されてからも自宅で治療を受ける在宅治療者の数も急速に増え、2万458人に達している。在宅治療患者が2万人を超えたのは初めて。

 病床待機者は増えているが、病床稼働率は70%台を保っている。9日午後5時現在の稼働率は、感染症専門病床が73.65%、重症患者病床が79.28%、準重症患者病床が73.91%。政府はこの日、行政命令を発動し、全国の医療機関でコロナ重症、準重症、中等症用の病床をさらに1899床確保すると明らかにした。目標どおり病床が確保されれば、重症患者専門病床1413床、準重症病床746床、中等症病床1万3852床が運用されることになる。

 しかし専門家は、政府が病床動員行政命令を下しても重症患者をこれ以上受け入れるのは難しいだろうと指摘する。現実的に運用できる保健医療システムの力量がすでに尽きているというのだ。カトリック大学医学部のペク・スニョン名誉教授(微生物学教室)は「重症患者病床の20%が空いているにもかかわらず、重症患者が重症患者病床に移送されずに自宅待機している。行政命令を下して病床を増やしたとしても、医療人材の供給問題などで実際に感染者が行ける病床がなければ行政命令は無意味だ」と批判した。

 防対本の発表によると、この日のコロナ新規感染者数は7022人、累計感染者数は50万3606人。過去最多の新規感染者が発生した8日(7175人)からは153人減ったものの、先週金曜日(4944人)と比べると2078人の増加だ。重症患者は852人で、過去最多の重症患者が出た前日(857人)から5人の減少。コロナで死亡した人の数は53人で、累計死者数は4130人。オミクロン株への感染が新たに確認された感染者は3人で、累計感染者数は63人となる。

イ・ジェホ、キム・ジウン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1022884.html韓国語原文入力:2021-12-10 17:59
訳D.K

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